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R5年6月岬町議会一般質問/多奈川地区の現状と今後のまちづくりを問う

R5年6月岬町議会一般質問/多奈川地区の現状と今後のまちづくりを問う

質問の主旨

多奈川地区は市街化区域に指定されていますが、人口減少が激しく、空き家や休耕地が増え続け、町の衰退の負のスパイラルが続いている状況。

多奈川地区の今後のまちづくりをどう考え、どうしていくのかを問います。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

多奈川地区は市街化区域に随分前に指定されておりますが、人口減少が激しく、空き家や休耕地が増え続け、地域衰退の負のスパイラルが続いている状況です。

多奈川地区にお住まいの方で今後、自分たちが住んでいる地域の行く末がどうなっていくのかとても気になるというご相談を受けて、今日は臨んでおります。


先ほどの質問で紹介をしましたが、多奈川地区には、「橋」の皆さんのように有志の方々により開催されているカフェやランチ、または、多奈川小学校のPTAやそのOBの皆様による地域を盛り上げる活動のおかげで、地域コミュニティをつくる取組がなされてはいますが、多くの皆さんは、町がこの地域を今後どうしていくのか、知る方はほとんどいらっしゃらないと思います。

そんな中で、町行政としてそんな多奈川地域について、今後のまちづくりをどう考え、どうしていくのかをお聞きしたいと思います。

● 寺田 企画政策推進監

本町では、第5次岬町総合計画及び岬町都市計画マスタープランにおいて、町の将来像及び地域づくりの目標を定めております。

多奈川地域は、自然海岸や農地、山林など緑豊かな自然環境を生かし、安全で快適な市街地環境の形成を図るとともに、関西電力多奈川発電所跡地に企業誘
致を進めるなど、活力ある地域となることを目標として定めております。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

第5次岬町総合計画や都市計画マスタープランでは、多奈川地域をひとくくりにして目標を定めているということですね。

しかし、この計画自体、住民の皆さんの中でどれくらいの方が理解をしているでしょうか。また、過去に計画されてから現在にかけて、結果はいかがでしょうか。

目標はしっかりと達成できたと言える状況でしょうか。私の意見としては、ほとんど町の動きが見えないし、衰退する変化は見えど、目標達成にはほど遠い状況ではないかなと、このように感じております。

多奈川地区と言えどエリアはかなり広く、多奈川地区の中でもエリアごとに様々な地域特性がございます。企業誘致を進めるという関西電力発電所跡地にある多奈川駅周辺、また、自然海岸を有する小島地区、そして、農地、山林等緑豊かな自然環境が残る西地区から楠木地区、そして、西畑、東畑地区などなど、今お伝えした地域を思い返していただくと、全く地域の特色が違いますよね。

それをひとくくりにして進めてきた今までがあり、その結果も今、地域の現状を見てのとおりだと思います。

関西電力さんのご協力により、火力発電所跡地に企業誘致を進めていただいておりますけれども、そのこととほかの多奈川地域への波及効果も、見る限り特にないと言わざるを得ないかと思います。

そんな結果を見る限り、そろそろ広い多奈川地域の中で、地域の特色ごとにそれぞれのエリアの特性を生かしたまちづくり計画を立てて、目標を定めることが必要ではないのでしょうか。

ここで少し、農地、山林等緑豊かな自然環境が残る西地区から楠木地区の現状を見ていただこうと思います。
モニターの資料3をご覧ください。

岬町多奈川西地区一帯と水路の現状の様子。人口減少に伴い、休耕地が広がり、空き家が増えている。また区画整理や農地の水路もされておらず、農業を活性できない。

写真は、多奈川東地区から楠木地区へ向かうまでの右手に広がる田園エリアでございます。

農地、山林等緑豊かな自然環境が残る西地区から楠木地区などは、随分前から空き家の増加に加えて、休耕地が一面に広がっているという状況でございます。

また、水路も整備されておらず、写真のような状態であります。このような状態から、この地域のまちづくりを町はどうしていくのでしょうか。放ったらかしにするのでしょうか。

これ、このような荒れた状態ではあるものの、見方を変えれば、地域資源として農地がたくさん残っているとも言えると思います。

その地域の特性を最大限に活かす、農業振興に特化した計画をし、地域住民の皆さんと一緒になって、全国から農業を目指す方や田園地域に住むことを希望する方々を呼び込むための空き家の整備や各種移住定住施策、そして、プロモーションも大事です、そういうことを行っていく、そんな計画をしていくべきではないでしょうか。

そのためには、町が旗振り役となり、その地域をもっと深く調査研究をし、そして、そこに住んでいる住民の方々と今後のまちづくりをどうしていくべきかの話合いを重ねて目標を設定し、そして、一緒に未来に向かって取り組みを始め歩んでいく、そんな姿勢が今本当に必要に私は感じております。

町行政としても、先ほど言われたように、農地、山林等緑豊かな自然環境を活かし、安全で快適な市街地環境の形成を図ると目標に定めていますよね。

当たり障りのない万能な言葉の計画だけでは、衰退の負のスパイラルを止めることはできません。

そろそろ各エリア、各地域の特色を活かしたまちづくりの計画の必要性と、そこに住む住民の皆様と未来の地域づくりに向けたまちづくりを話し合い、取組を始めないでしょうか。

また、そんな考えや計画はないでしょうか、お答えください。

● 寺田 企画政策推進監

先ほど多奈川地域の目標を説明させていただきました。本町では、町全体を一つのエリアとして事業を現在進めております。議員ご指摘のとおり、多奈川地区も含めて、人口減少や空き家、休耕地が増加しており、このような課題に対処するためには継続的なまちづくりの取組が必要であると考えております。

特に人口減少に歯止めをかけるためには、新たな住民を呼び込む施策が必要と考えております。

空き家対策は、まちづくりにおいて重要な課題であり、現在、多奈川駅前に地域おこし協力隊の活動拠点であるまちづくり交流館を開設しておりまして、貸館事業をはじめ、交流人口・関係人口の取組を進めております。

今年度よりまちづくり交流館担当職員を1名配置し、地域イベントや交流会の開催など、地域づくりのための活動を計画しており、移住支援の総合窓口として取組を進めております。

また、空き家相談会を定期的に開催するとともに、空き家バンクへの登録など、空き家解消に向け取組を進めております。

次に、休耕地や農地の有効活用も、地域のまちづくりにおいては重要であると考えております。

地域の農業支援を生かした特産品支援などは、地域経済の活性化や観光の振興につながることから、地域の農業者や関係者と協力して持続可能な農業の推進に取り組んでおります。

企業誘致につきましては、多奈川地区多目的公園は6事業者の進出を決定し、全て事業用地の誘致が完了しております。また、第5次岬町総合計画では、多奈川地域の関西電力多奈川発電所第2発電所跡地を産業拠点と位置づけており、既に2事業者の進出が決定し、新たな産業の誘致により、雇用の創出や経済の活性化を進めていきます。

多奈川地域に限らず、本町全域で持続可能な未来を目指して、地域の関係者や住民の協力を得ながらまちづくりに取り組んでいくことが重要であると考えております。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

町は町全体を一つのエリアとして考えてまちづくりをしているという、大きなくくりの回答かなと思います。

若干踏み込んで回答をいただきたかったというところはあろうかと思いますが、これは仕方がないと思います、町の計画でありますからね。ということは、私が提案しているような地域住民の皆さんと今後の地域のまちづくりを一緒になって考えて行動していくということは、今のところ考えていないというお答えになろうかと思います。

残念ながら、それでは結果は既に今と同じようなものになるのではないかと私は思います。

なぜ私が今回このような質問をしたのか。それは、まさに資料の写真の地域にお住まいの住民の方々との話合いの中で、この地域は随分昔に市街化区域に指定されているのに、町は今後この地域をどうしていくつもりなのか、町の動きが見えないし、どんな計画がなされているのかも分からないという声が寄せられたからです。

確かにタウンミーティングは開催されております。これはこれで良い取組だと、私も思います。

が、そこでは、あくまで町全体の事業報告や地域の現在の課題、問題箇所の解決を行政が拾い上げて解決する趣旨となっており、地域ごとに未来のまちづくりについて話し合ったり計画したりなどはされていないと思います。

地域の関係者や住民の協力を得ながらまちづくりに取り組んでいくということが重要と考えていると先ほどおっしゃいました。協力を得るにはどうしたらいいのか。

まずは、今後の各地域のまちづくりや町の計画などを地域の皆さんと話し合い、共有しないと協力関係は成り立たないと思うんですよね。

一方通行ではだめですよということです。
町として、地域の目標を住民の皆さんと共有できれば、「橋」のボランティアの皆さんや、さらにはほかの皆さんもいらっしゃいます、また、PTAの皆さんなども、その目標に向けた自主的な取組をしてくださるようになると思うのです。

何もこの地域についてのみ言っているのではなくて、ほかの地域についても同様で、町行政が特色ある各地域に入り込んで、住民の皆さんの思いを聴きながら、この地域をどんなふうな地域にしていくっていうふうな、一緒にその地域の未来を考えて目標を定めたまちづくりをしていくこと、これこそが協働のまちづくりだと言えると思うのです。

いま一度、そんな取組を始めないかというのを聞きたいのですけれども、同じ答えになるのでしょうかね、ということですよね。

● 田代 町長

今、まちづくりについて、松尾議員のほうから考え方を披瀝していただきまして、本当にありがとうございます。

多奈川地区について、先ほど多奈川の西地区、また楠木地区、そういったところは、言わば行政が市街化区域に編入しながら放ったらかしやと、こういう話があったんですけど、そうではなくて、過去に太陽光発電所の問題、にんにく畑の問題、多種多様の話があって、一緒に地域の方と取り組んでまいりました。残念ながら全て事業者が撤退を、言わば計画を取りやめる、そういう経過があったことをご存知でしょうか。

そういうことがあって、なかなかいざとなると、地権者それぞれの考え方があって理解が得られない、こういった問題が過去にずっと積み残してきて
いるということも理解をしていただきたい。

それから多奈川地区は、先ほど担当のほうからも説明があったとおり、企業誘致にせよ、公園づくりにせよ、全て完了してきております。また、歴史・文化を守っていくためのそういった道路が不便だということで、多奈川地区全体の要望として道路整備が出てきました。これも全て完了しております。

そういった中でまちづくりをやっていくには、岬町全体を眺めた中で、一つ一つそれを計画していくということが当然であります。

そんな中で特に多奈川地区が遅れているというよりも、言わば人口減少が続いておるというのは、これは淡輪にしても、深日にしても、同じことだろうと
私は思っております。

そんな中で、先ほどの話の中に水路が全く手つかずだという話がありましたが、水路は町はつけたいんです。つけたいけど、同意がもらえないんです。生活排水が水路に流れるために、田畑の人たちがなかなか理解を頂けなかった。

現在は、一応了解はしてもらえますけれども、いざご利用を確認して協定してもらえますかって言ったら、なかなか返事が来ない、そういった状況が
あることもやっぱり議員さんもご理解をしていただきたいなと。

いろいろやりたいことはたくさんありますけれども、もちろん財政的な問題もありますけれども、総合計画に基づいて少しずついろんな計画に向けて推進していることは間違いないと、私は思っております。

今後、多奈川発電所に企業が張り付いた場合、これはかなりの雇用を生み、定
住を生み、そういった税収を生む、これは私は期待をかけております。

そんな中で一足飛びにこうせえ、ああせえということはできないかも分かりませんけれども、やはり住民の要望に応えていくには、タウンミーティングを通じて皆さん方の意見を一つ一つ聴いていく、私に今できることはここしかないんですよと、タウンミーティングしかないんです、

あとは各団体の会合の場でいろんな意見を聴いていく、そういったことしかない。あとは、担当のほうは直接窓口のほうで住民の方の要望、また考え方、計画、そういったものを協議して進めていっていることは間違いありません。

ですから、職員は何もしないわけでもない、一生懸命汗をかいてやってはおります。

町も一生懸命それに応えよう、住民の思いに応えようと思ってやっておることも事実でありますので、そういったことも議会の皆さん方も一つ一緒になってまちづくりを考えていっていただきたいなと、このように思っておりますので、どうかその点もご理解をしていただきたいと思います。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

町長のおっしゃることはよく分かっております。

水路の件も、もし今からでもしっかりと地権者の方々、水路の管理者の方々としっかりと話をしていただきたい。

私は、生の住民の方の声を聴いてここに臨ませていただいております。全て聴いております。

ただ、進んでいない。その結果が今、こうして述べさせていただいているのです。だからこそ進めていただきたい、ただそれだけです。

● 田代 町長

そうじゃなくて、進められない。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

うん、そこも含めてね。

● 田代 町長

それやってるんですけどね。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の要望

いえいえ、分かりました。引き続き、いろいろ問題はある中でやはり進めていただきたいからこそ、こうして提案しているのであって、ぜひ聞いていただきたいと思います。

時間が少しずつ減ってきていますので、私のまちづくりというのは、先ほど述べさせてもらったとおりなのですけれども、やっぱり目標、その地域をどう活性していくか、そして、その未来の、ここまで持っていこうという目標を定めていただけたら、一番住民さんも……やはり今、何が問題かというと、岬町の動き、そして、どういうふうにまちづくりをしていくか、先ほどの水路のこともそうです、農業のこともそうです、あまり分かっていらっしゃらない方が多い、だからこそ政治に向かないし、地域もそのままになってしまっているというような思いが、やはりどうしても住民さんの中で多いと思います。だからこそ、こうやっていく、ああやっていく、そして、手を差し伸べていく、それが大事なことではないかなと私は思います。

なので、町長におかれましては、引き続き住民の方々の声を聴いて、未来に向けたまちづくりの計画、そして、目標を立てていただきたいと願いまして、この質問は終わりたいと思います。

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