R5年6月岬町議会一般質問/ICTをフル活用したグローバルな教育を実施 するための、各小中学 校の教員側の環境整備を!
質問の主旨
国が進めるGIGAスクール構想が岬町でも整備され、生徒1人1台に端末が支給されましたが、教える側の教員には1人1台の端末がありません。
仕事をする上で今や必須であるパソコン等。仕事の効率を上げるためだけでなく、十分なICT教育を実施するためにも必要と考えます。
また各校内のWi-Fi環境も、学校が望むものになっていない状況。
教員の働き方を改革する上でも、ICTをフル活用したグローバルな教育を生徒に実施する上でも、各校教員への1人1台端末の支給と、各校のWi-Fi環境の見直しを提案します。
国が進めるGIGAスクール構想は、岬町でも整備をされ、町内の小中学校は今、生徒1人に1台端末であるクローンブックが支給されております。このことにより今後の学校教育は、ICTの技術により今まで不可能であった教育が可能になりました。
例えばオンラインでの授業や個別相談といったことが可能になるほか、瞬時にアンケートを取ったり、ここにプレゼンテーションを行ったり、情報を共有したり等、授業の効率を上げることや個別対応ができるだけでなく、子どもたちが今後、情報化社会の中で生きていくための端末を使うスキルの向上や各アプリケーションの使い方、さらに、工夫次第では無限の可能性があるICT技術で、TPOに応じた上手なICT技術の使い方を体験して学べる環境になったと言えると思います。
しかし、これらは教える側の教員である先生方の事前の知識やスキルがまずあってこそ、生徒への教育が実現できるものです。
また、授業前には、どのように授業を進めるか企画を考えたり、様々な周到な準備、また、端末を使っての繰り返しの演習が必ず必要となってまいります。
生徒側の環境は整ったと言えると思いますが、では、教える側の環境は整っているのでしょうか。
私は、PTA活動などにより各学校の保護者の皆様ともつながっている関係で、各学校についての様々な情報を頂きます。その中で、先の総務文教委員会でも問題提起をさせていただきましたが、町内学校間でGIGAスクールであるICT教育の進み具合に大きな差がついているということを指摘しました。
これはなぜそうなっているのでしょうかね。その原因として、教員の先生方間でのICT教育における準備等に差があるのではないかと私は考えております。
この件については、ICT支援員さんを今年度から町全体で1人増やしたことにより、少しでも先生方をサポートしていこうとする町の姿勢は評価できるものと言えます。
しかし、その対策だけでは解決できるとは到底思えません。
今、生徒には1人1台の端末が行き届いておりますが、先生方への校務用端末については、2人に1台しか支給されていないという状況が調査で分かりました。
私は、ここに問題があるのではないかと考えております。
先ほど私は、教える側の教員である先生方の事前の知識やスキルがまずあってこそ、生徒への教育が実現できること、また授業前には、どのように授業を進めるか企画を考えたり、様々な周到な準備、また、端末を使っての繰り返しの演習などが必ず必要となってくることを言いましたが、まさしくこの部分のスキルアップとか準備について、先生方に1人1台の校務用端末がなければ、自主的に学びトレーニングするということも、準備や演習についても、思うようにはできません。
その弊害の結果が今、表れているのではないかと考えます。
大阪府内の自治体で、教員に1人1台の校務用端末が支給されていないところは、43市町村あるうち、現在4自治体残っているとのことです。その4自治体のうちの1つが、この岬町です。
ほかの自治体と比べて将来、ICT教育で後れを取らないためにも、教員に1人1台の校務用端末の支給は、今や必須と考えます。
また一方で、学校教育の現場では、先生方の多種多様にある多忙な業務による時間外労働の増加も深刻な問題となっております。教員の働き方改革の重要性は、私も過去に幾度も指摘をし、その解決方法として、例えば国が進めようとしているクラブ活動の地域移行などなど、この議会内でも提言をしてきております。
しかし、一番単純で一番効果的な解決方法としては、その多種多様にある多忙な業務を効率よく処理できるPC等の端末を1人1台支給することではないでしょうか。
岬町の子どもたちのICT教育の後れを取り戻すためにも、教員の先生方の働き方改革を進めるためにも、1人1台の校務用PC等の端末の支給が必要と考えますが、町としての考えをお聞きしたいと思います。
● 小川 教育次長
GIGAスクール構想の推進に伴い、令和2年度にネットワーク環境や児童生徒1人1台端末の整備を完了し、ICT教育の推進に努めています。
教員につきましては、GIGAスクール構想の推進に合わせて学習用端末の1人1台の整備を完了しておりますが、おっしゃるとおり、校務用端末については1人に1台整備できていない状況にあります。
教育委員会といたしましては、校務用端末は1人に1台必要と考えておりますが、本町の財政状況を踏まえつつ、慎重に検討していきたいと考えております。
これは、前向きに支給できるよう進めていくと捉えてよろしいでしょうかね。はい、うなずいていらっしゃるので、そう捉えます。
そうであれば今回、Wi-Fiの再整備についても通告をしておりますが、端末の支給に優先的に注力していただきたいので、今回はWi-Fiについては取り下げて、しっかりと端末支給がなされることを確認して、またそのときに考えていきたいと思います。
なぜ私が今回この件について議会で取り上げたのか。先ほど述べた課題があるからですけれども、もし1人1台の校務用PCの端末が支給された場合の、ICT教育がもたらすプラスのメリットも提案したいと思います。
岬町の独自教育を、主体性を伸ばす可能性と、そしてグローバルなまちづくりへと広げられる可能性についても少し提案したいと思います。
モニターの資料1をご覧ください。
これは、文部科学省の「世界とつながり海外と日本の教育について考える」というホームページの記事でございます。
そこには、Web会議ソフトを活用し、他国の学生や研究者、教師等が空間的制約を超えて同時につながっており、海外と日本の教育について対話し、比較する活動の様子が書かれており、ICT活用の特性や強みを最大限に活かした交流となっております。
これは、私が以前より掲げている、ICTをフル活用したグローバルな教育方法の1つであります。
この方法がレギュラーな授業としてシステム化され、毎回授業ごとにテーマを決めて世界の生徒と岬町の生徒が対話できたとしたら、様々な可能性が広がります。
まず、対話の言語である英語を伸ばせるということです。そして、世界の文化を学べることに加えて、同時に日本の文化を相手に伝えるための、話す内容を組み立てて考える力を伸ばせられるということであったりとか、コミュニケーション能力も高められるなど、この取組により世界基準の主体性を育むことが期待できます。
また、そんなオンライン授業での交流を重ねた後、例えば姉妹都市、友好都市提携などを自治体間で事前に結んでおけば、互いの国へ実際に訪問し合う修学旅行なども計画でき、交流をさらに深めることも自然な形で可能になります。
そうなると、子どもの教育分野だけでなく、生涯学習として姉妹都市、友好都市間の観光ツアーなども企画でき、観光産業や商工業の活性化を呼び、ひいては国際的な移住定住施策にもなります。そんな好循環をつくることが私の目指すまちづくりであり、これが私の提唱する、「みんなでつくる循環型まちづくり」です。
先生方への1人1台の校務用端末の支給により、教育分野だけではなく、まちづくりにも様々な可能性の広がりを秘めていると言っても過言ではないのです。ぜひ優先的に進めていただくことを要望して、この質問を終わります。