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R5年3月岬町議会一般質問/住民目線の「防災マップ」作成など、災害時のための「備え」について

R5年3月岬町議会一般質問/住民目線の「防災マップ」作成など、災害時のための「備え」について

質問の主旨

岬町内でも地域が広く、それぞれの地域で避難場所も異なり、また避難経路も住民それぞれによって異なってきます。

より住民が主体となって防災意識を持っていただくきっかけの一つとして、それぞれの地域に則した避難経路などを記した防災マップの作成や、災害時のための「備え」について提案します。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

住民目線の防災マップ作成など、災害時のための備えについてです。
岬町は過去に町全体のハザードマップを作っています。しかし、町内は広く、それぞれの地域で避難場所も置くことになりますし、避難経路も住民それぞれによって異なるはずです。

より住民が主体となって防災意識を持っていただくきっかけの一つとして、それぞれの地域に即した避難経路などを記した防災マップの作成や、災害時のための備えについてお聞きしながら提案したいと思います。

これについても私の考えである、みんなでつくる循環型まちづくりの方針を持っていまして、みんなで地区防災計画をつくり、みんなでまた時代に合わせて更新していく必要があると考えております。

防災対策の3要素は、自助・共助・公助です。それを有事の際、速やかに実行するには、日頃から顔の見える、顔が分かる地域の関係づくりが大切であります。その上で各地域に防災組織を持って、いつやってくるか分からない災害に備えて、誰がどのような動きをいつするかなど、事前に決めておくことや定期訓練を実施していくことが重要で望ましいと考えております。

その前に、岬町における各地区の防災組織の普及率はいかがでしょうか、お願いします。

● 寺田 危機管理監

本町内には淡輪、深日、孝子、多奈川で、合わせて61の自治区があります。そのうち48の自治区におきまして、自主防災組織が組織されており、記録がある中で最も古いものは、平成17年に多奈川の中地区で、最も新しいものは、令和2年設立の深日の向出北地区です。

最も多く設立されたのは平成23年で、当時は20団体が組織されております。本町全体での組織率は約78.7%となっております。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

町全体では78.7%ということが分かりました。できる限り100%に近づけられるよう、引き続き自治区などへの働きかけをしていただきたいと思います。
次に、定期訓練をしている組織はどのくらいありますでしょうか、お願いします

● 寺田 危機管理監

ここ数年のコロナ禍におきまして、防災訓練など人が集まる活動は自粛を余儀なくされておりました。

この期間中に住民の方々の中には訓練を実行する中心メンバーの入れ替わりがあり、「訓練実施のノウハウが分からなくなってしまった」という意見や、また、「今はまだ再開する機会をうかがっている」といった考えもあり、やむを得ず防災訓練の実施を見合わせた自主防災組織もあると考えております。

本町といたしましては、再開に向けてお困りの団体等があれば、可能な限り支援したいと考えております。

このように地域住民の活動に逆風が吹く中でも、災害に備えて防災訓練を実行された自治区もあり、令和4年度におきましては、本町や消防署が参加、協力しました、

自主防災組織が主催する防災訓練は2件ありました。令和4年5月に淡輪19区で震災避難訓練、11月には淡輪10区と11区の合同で震度6の地震を想定した防災訓練が実施されております。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

昨年度では淡輪19区、また10区、11区では合同で防災訓練が行われたとのことです、私はその10区、11区合同の防災訓練に参加をさせていただきました。

こちらですね。

ちょうどこのときに寺田危機管理監もおられますね。本来なら屋外にて防災訓練を実施する予定でしたが、この日は雨だったので、屋内でビデオを見ながら危機意識、防災意識、そしてそれらに備えるための機運を高める内容で、参加してよかったと感じております。

災害はそういった意識が薄らいでいるときにおおむね来るものです。岬町の住民の皆さんは、今どのくらい防災意識を持っておられるかお聞きしたいと思います

● 寺田 危機管理監

住民の防災意識について、客観的に表した資料はございません。しかしながら、住民の防災意識の高さを表す例がありますので、ご紹介いたします。

本年度におきましては、岬町自治区長連合会が大阪管区気象台の防災気象官を講師に招き、「防災気象情報の活用について」と題する研修会が開催されました。この研修会は、災害に対する備えのために企画されたもので、本来は令和3年度に計画されていたものですが、先ほども申し上げましたように、折からのコロナ禍により、やむなく延期されていたものです。

また、本町の自治区長連合会におきましては、これまでにも防災や減災に関連する研修会や講演会が実施されておりますので、合わせて幾つかご紹介いたします。
令和2年度には、国土交通省近畿地方整備局統括防災監を講師に招き防災講演会を、平成30年度には、兵庫県淡路市の北淡震災記念公園野島断層保存館の視察研修を、平成28年度には奈良市の奈良市防災センターの視察研修を、平成26年度には和歌山県有田郡広川町の稲むらの火の館、濱口梧陵記念館、津波防災教育センターの視察研修など、防災・減災に焦点を当てた研修会や講演会が企画、実施されております。

このように平時におきましても、自ら情報収集に取り組んでおられることなどから、本町の住民の方の防災意識は高いものと考えております。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

防災意識は高いということですけれども、確かに自治区のトップである自治区長さんの防災意識が高いことは、そこに住まわれる方々には頼もしいことではありますが、重要なのは、意識だけではなく、実際に災害が発生した際に、速やかに避難と動ける体制を地域の皆さんで整えているかどうかが最も重要と考えております。


防災意識が高かったとしても、待ったなしで急に訪れる災害に対して、実際の災害時にはどうしていいか分からない住民さんもまだまだ多いというか、そういった方のほうが大半を占めていると私は肌身で感じております。

そこで、冒頭にも触れましたが、より住民が主体となって防災意識を持っていただくきっかけの一つとして、それぞれの地域に即した避難経路などを記した防災マップの作成を提案いたします。

参考に、このボードで国土交通省、国土地理院地図を見ていただきたいですが、

実はこのウェブサイトでは、災害の種別によって自宅を中心にした近くの避難場所を確認できたり、避難経路を確認できるサイトですが、これが使いづらいんですよね。

それなので、ここで防災対策の3要素、自助・共助・公助がしっかり機能できる体制を整え、一人でも逃げ遅れのないようにするために、町行政から各自主防災組織、または各自治区へ出向いて、例えば以前から私が提案している、日頃から地域事情をよく知る消防団の皆様の協力を得ながら、各地域の方々一人一人に参加をいただき、地域が主体となって、各地域に即した避難経路などを記した防災マップを作る働きかけをしていくことで、防災意識を高められるし、さらに、誰が、いつ、どこで、どう動くのかなどを事前にしっかり決めておくことで、いざ災害が起きたときの迅速な自助や共助、公助ができるものと考えますが、そういったことを始めないのでしょうか。

● 寺田 危機管理監

現在、本町では地域住民が主体となる風水害の予報や、河川水位情報等を基に、地域住民が取るべき防災行動や避難のタイミングなどについての支援を行っております。

現時点で進行中のものといたしまして、本町と岸和田土木事務所が共同で深日地区内の自治区の災害リスクに備えたコミュニティティタイムラインの策定について支援をしております。

このタイムラインは、台風や大雨、洪水や土砂災害、高潮などの災害から犠牲者を出さないために、地域で自主防災組織等が中心となり、いつ、誰が、誰に、何をするかという地域の防災行動を時系列に整理した行動計画です。住民自らが参加し、行動を考えていくことで、より地域に密接し、かつ防災意識を高めることが期待できます。

なお、今後の活動といたしまして、3月下旬に「コミュニティタイムラインまち歩き」と題しまして、危険箇所や避難経路の状況把握など、地域住民の方が自分の足で歩いて、当然職員も参加しまして、実際に確認をする行動を予定しております。

また、この成果につきましては、ほかの地域とも共有し、住民自身の手による各地域でより現実的で有効な行動計画の策定を目指しております。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

コミュ二ティタイムラインの策定についての支援を現在始めておられるということについては、大変評価できるかと思います。ただ、地域ごとに避難経路をマップにしたり、今あるマップに避難経路を記すことは明言されませんでしたが、避難経路の状況把握や、実際に歩いて確認する行動と合わせて、それをフィードバックした最適なルートを地域ごとに記したマップづくりをし、地域で共有することこそ大事に思います。

私は今後もこの一連の仕組みづくりを求めていきたいと思います。

さて、各地域別の防災マップの作成と合わせてぜひ検討いただきたいのが、この災害の備えチェックリストとなっております。

これは今からお示ししますが、首相官邸のホームページにあるチェックリストでございます。例えば、事前に用意すべきものがこういったもので、用意できたらチェックしていくというようになっています。

また、それぞれの家庭の在り方で、例えば子どもがいる家庭はこれも必要とか、女性の場合はこうだとか、高齢者がいる家庭の場合はこれも必要ですよというのも記載をしております。

また、備蓄品についても同様ですね。
こういった日頃事前に用意しておくべき備えとチェックについても、各地域別の防災マップを作った上で、裏面などに載せ、そして地域で話し合うことによって、より意識を高め、備えのための行動を取っていただけることになります。

また、例えば実際に避難所へ避難した場合でも、このマップと備えの一覧があれば、今自分は何を持っているのかの把握にもなりますが、そういったものを作る考えはないでしょうか

● 寺田 危機管理監

本町では、令和4年度事業といたしまして、現在作成中の「岬町総合防災マップ」では、従来の本町内で想定される被害区域を示したハザードマップに加えまして、防災に役立つ情報を広く住民の方々にお届けすることを目的に、災害に備えるための情報も併せて掲載に努めております。

議員おっしゃいましたチェックシートにつきましては、その情報の一つといたしまして、「普段からの心構え」と題しまして、日頃から常備するものとする非常持ち出し品のチェックリストを掲載しております。

なお、この総合防災マップは、3月下旬に全世帯に配布を予定しております。また、併せて本町のホームページでも閲覧できる環境を整える予定としております。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

総合防災マップというものが作られて、そこに備えるべきものの情報を入れるということですが、私が一番伝えたいのは、備えの記載のある総合防災マップを配られただけでは、防災意識というのはそんなに高められないということなのですよね。

地域のことは地域で作る、この意識を持って、地域の方々主体でコミュニティタイムラインを策定し、そして地域の防災マップを作り、一人一人備えについて話し合って、やっと地域の防災意識を高められることになると私は考えております。

要は、私が幾度と申し上げている我が事意識をどうつくるか、醸成するかです。

なかなか地域だけでそんな行動を自主的に起こすことはまず不可能ですね。だからこそ、このきっかけづくりとして、手助けを町行政がすることが必要であり、それこそが自助・共助・公助の理解を深め、連携をつくるきっかけになると私は確信しております。

それが私の自信である、みんなでつくる循環型まちづくりです。

これは今後、行政が進めるのと進めないのとでは、災害時の避難行動の
結果に大きく差がつくと確信をしております。

今後、各自主防災組織や各自治区と町との間で、特に避難に支援を必要とする方や、避難経路の検討などについて、定期的に話合いを持って情報連携をしていく必要性を感じて私はおりますが、町としていかがお考えでしょうか。

● 寺田 危機管理監

災害発生時に自主避難することが困難で支援を必要とする「避難行動要支援者」につきましては、平成27年度から「避難行動要支援者名簿システム」を導入しまして、要支援者の住所情報を住宅地図ソフトとリンクさせ、支援を要する方の住宅をパソコン端末上の地図画面で確認できるようにしております。

要支援者のデータは毎年更新を行っており、本年度におきましても地域防災計画に規定する避難行動要支援者の要件に該当する方を対象に、登録のための申請書を郵送、現在は返送をお待ちしているところとなっております。

なお、本町では、平成28年から事業を開始し、現在は対象と見込まれる3,745人のうち1,370人の方に登録をいただいております。この「避難行動要支援者名簿」は、生命または身体を災害から保護するため、本人の同意を得ることなく、消防署や消防団、警察、自主防災組織などの「避難支援等関係者」に対し、名簿の提供ができるものです。

また、本町と自主防災組織との間の情報連携といたしまして、本町からは総合防災マップなどで町全体に係る防災情報をお知らせし、自主防災組織の方々からは、避難経路の情報等をフィードバックしていただくなど、それぞれが得意とする分野で連携や協力していけるよう、今後も努めてまいります。

なお、本町では、情報提供だけではなく、「岬町自主防災組織育成事業補助金」の制度を設け、自主防災組織の育成を図っております。平成28年度に本制度を開始しましてから、これまでに25件の補助を実施し、この制度の利用による防災用資機材が整備されております。

主なものといたしまして、防災倉庫が7団体で7個、拡声器が7団体で21個、担架が7団体で10個、そのほかにも地域の特性に合わせたものが選択され、整備されております。

今後もこの制度により、まだ活用されていない団体や、新たに設立される自主防災組織の防災用資機材面での充実を支援し、住民による防災力の強化に寄与していきたいと考えております。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の要望

自主防災組織の育成、そして補助については、今後も力を入れていただきたいです。

また、様々な組織と連携し、情報共有だけでなく、町が率先して各自主防災組織や自治区との定期訓練等の実施の呼びかけも積極的に行っていただくことで、一人の逃げ遅れも出さない、災害に強いまちづくりをつくる仕組みづくりを要望して、この件は終わりたいと思います。

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