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H29年6月岬町議会一般質問/道の駅“みさき“の現況と、今後の運営について

H29年6月岬町議会一般質問/道の駅“みさき“の現況と、今後の運営について

質問の要旨

  • 4月にオープンした道の駅“みさき“。オープンから現在までの利用状況や運営状況などの現況報告
  • 見えて来た課題とその解決方法
  • またそれらを踏まえた今後の運営についてをお聞きし、今後についての提案を含め、様々な角度から、松尾ただしが大阪府泉南郡岬町岬町議会一般質問にて検証します。

松尾 匡の質問

道の駅みさきの現況と今後の運営についてです。

4月1日に、和歌山まで結ぶ第二阪和国道が長い年月の末、全線開通しました。それに伴い、長年走ってきた国道26号線が旧26号線となり、府道へなりました。

このことで長年の課題でありましたみさき公園付近から深日ロータリー、さらには孝子付近までの長い渋滞が解消されて、今まで岬町の町中を走っていた多くのトラックや車っていうのが激減しました。

岬町住民である私たちにとっては、渋滞なく、スムーズに町中を車で行き来できるようになったことは、とてもうれしく思われている方も多いと思います。

しかし、一方で府道となった国道26号線沿いにある各飲食店を初め、町内、町中に点在する商店、またそこに商品納入されている事業者なども合わせて、来店者数の減少等から来る商売への影響というのは、多かれ少なかれ、今後、町中への人の引き込みをどう考えて実行していくかが課題となっております。

それを補う役目を担っている1つの施設として、第二阪和国道の全線開通に合わせて開発してきました岬町に2つ目となる道の駅みさきがオープンしました。

私もオープン式典を初め、以後、何度か訪れましたが、特に週末になると駐車場がいっぱいで入れないというほど来客が多いところを見て、当初目標としていた来客人数はまずまずクリアしているのかなという印象を受けております。

町税と国税を投入して、合計5億8,000万円という血税を使わせていただいて、町を挙げて岬町を活性化させるという1つの役割を担っている施設として建設された以上、この事業は絶対に失敗させることは許されないと、こう思っております。

なので、私たち議会としても、今後の動向を注視し、継続的に成功させていけるように、よりよい方向へ向かわせるべく、積極的に意見して協力していく使命を議員の1人として強く感じております。

そのように感じている中で、本日お聞きしたいこととして、道の駅に関する3つの質問、まずはオープンから現在までの利用状況、運営状況等の現況報告ですね。

2つ目に、運営を開始してから見えてきた課題、またその解決策というところについて。最後に、それらを踏まえて、改めて今後の運営についてをお聞きしたいと思います。

まずは、オープンから現在まで、2カ月ほどしかまだたっていませんけれども、ここまでの道の駅の利用状況や運営状況等の報告をお願いしたいと思います。ご答弁よろしくお願いいたします。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

お答えさせていただきます。

利用状況及び運営状況についてでございますが、4月1日に第二阪和国道の全線開通と同時にオープンいたしました道の駅みさき夢灯台は、開駅から順調に運営しておりまして、オープンから5月末までの来駅者数ですが、約23万5,000人となってございます。

これは予想以上の集客となるものでございます。次に、物販の販売状況でございますが、4月、5月の2カ月で予想以上の収入となっているところでございまして、現在もなお順調に推移しているところでございます。

また、雇用状況としましては、産直市場及び丘の上の食堂を合わせると、合計で29名の従事者となってございますが、そのうち14名が地元の方と聞き及んでおります。雇用促進に一定の効果を図ることができたように考えてございます。

松尾 匡の質問

先ほど木下部長から報告を聞きまして、やはり予想以上の来客というのがあったのかなということで、大変よかったかなと思っております。

ただ、道の駅でよくあることとしまして、来客はすごく集まってきているんですけれども、売り上げ等が伴っていないという結果、厳しい運営状況に陥っている。

いわば繁栄しているように見えているだけのような道の駅っていうのも少なくないようです。

しかし、そのあたりも客観的に理解できる数字的な明示というのがなかなかなかったですけれども、物販の販売状況というのは予想以上によかったりとか、予想以上の収入が見込めているということで、よかったかなと思います。

オープンから2カ月というのは、新オープンの物珍しさで来られる方と合わせて、ちょうどゴールデンウイークというのが重なりまして、来客が最大となる季節である、またみさき公園のお客さんというのも見込めたり、その他、海や山、ゴルフ場等へ出かけられる一番よい季節であったということで、ついで寄りっていうのが相当数見込めたのではないかなと私は推察しております。

結果的にはよかったですけれども、今後オープンしたての物珍しさというのが消えてからどうなるのか。

また秋から冬場にかけてどうなるのかというシチュエーションも今からしっかり想定して運営計画を立てることが今後必要になってくるのかなと思います。

それに向けて、今後はこの2カ月の間、来場者向けに簡単なアンケートだったり、例えばどこから来たかとか、これからどこへ向かう、もしくは向かっての帰りなのかとか、どんなもの、もしくはどんなことがあればまた来たいと思うかとか、などを集計できていれば、ある程度の分析から、今後の運営方針が立てられるのかなと思いますので、今後できればアンケートを実施してもらえるのと、どこからどのように、なぜお客さんが来ているのかがわかり、道の駅の今後の方策と言うんですかね、だけでなく、岬町内のその他の事業者の方にもそれらを知っていただくことで、次の来客の方策を立てやすいのではないかなと思いますので、ぜひ検討していただきたいなと、このように思います。

さて、オープンから現在までの利用状況の現況報告っていうのは、ご報告いただきました。

次に、そこから見えてきた問題とか課題としては、どのようなものがあるのか。

実際に運営してみて、当初想定できなかったような課題などが出てくることはよくあることですけれども、現時点でどういった課題が見えてきたか。

また、それらをどう解決していくかを含めて、お聞かせいただければなと思います。ご答弁よろしくお願いいたします。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

お答えさせていただきます。

見えてきた課題とその解決方法でございますが、利用者のほうから、利便性の向上の声などがございまして、現在対応しているところでございます。

例えば、道の駅の進入路がわかりづらいといった要望があり、国のほうに申し入れて、入り口に看板を設置していただいたことがございます。

なお、路面標示につきましても、現在実施していただいている状況となってございます。

また、駐車場内の要望としましては、駐車場の店舗側に車どめを設置してほしい。駐車場内の歩行スペースがわかりづらいなどの意見がございまして、これにつきましても国に要望し、対応していただいたところでございます。指定管理者からは、予想以上の来駅でございまして、新たな雇用の必要があり、近く増員配置する予定と聞いてございます。

また、一方では出荷者とのコミュニケーションを図りながら進めることも重要なことと考えてございまして、随時、意見交換を開催する予定だと聞いてございます。

今後も、利用者や出荷者などからさまざまな要望などが出てくるものと予想されますので、指定管理者と連携して、前向きな解決に努めてまいりたいと考えてございます。

松尾 匡の質問

先ほどお答えいただきました道の駅の標識等の件っていうのは、同じような改善要望も、私も聞いておりまして、例えばバイパス本線へ入りたい人が標識がわかりにくく、間違って道の駅に入ったり、その逆もあったりというのは聞いております。

そのままにしておくと混雑から渋滞っていうのが発生して、事故を引き起こすことにもつながります。

混雑を避けるためにも、事故をできるだけ防ぐためにも、道と道の駅を利用される全ての方が気持ちよくスムーズに利用していただけるように、今後も引き続き課題をできるだけ拾って、向かい合って、都度速やかに解決できるよう対応をお願いしたいと思います。

また、現況報告でお聞きしました、予想以上の収入が見込めているということで、さらなるサービス向上に向けて、スタッフの増員配置を予定しているということについては、よいことであり、これがさらに町内住民からの新たな雇用となることを願っております。

ただ、先ほども申し上げたとおり、この2カ月間は運営にとってはこの上ない好条件であったということで、予想以上の結果が出たという側面もあると思います。

雇用については、道の駅の指定管理者の采配となりますので、口出しはできませんけれども、できれば短期的、スポット的な雇用ではなく、継続した雇用となるよう、その点も考慮した道の駅の長期的な運営計画に基づいた人員配置計画をしていただければなと、このように思います。

さて、見えてきた課題と、その解決策というのはわかりました。

最後に、今後の運営について、2カ月間運営してきた。

そしてそこでつかんださまざまなことを踏まえて、どのように今後運営していくのを考えているという、考えていらっしゃるのか、どうしていくかをお聞きしたいと思います。答弁よろしくお願いいたします。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

お答えさせていただきます。

今後の運営につきましては、交流スペースを活用したイベントや展示などを開催し、さらなる集客向上に努めてまいりたいと考えてございます。

さらに、現在、岬町観光協会では、道の駅での観光案内を行っていただいてございます。

また、先ほど議員からお示しのアンケートでございますが、連携している阪南大学生に来訪者のアンケート調査を実施してもらい、データの収集、分析により、サービス向上資料として活用する予定としてございます。

そのほかにも、交付金を活用した事業の有効度、達成度などを検証するための事業活用調査も行う予定としてございます。

一応、開駅から順調なスタートを切ることができた道の駅みさきの夢灯台は、今後におきましても、地域交流の拠点として、当初に掲げました基本方針に基づき、持続可能な地域及び産業の発展につながるように努めてまいりたいと考えてございます。

松尾 匡の質問

当初から、交流スペースの活用方法が道の駅の繁栄を左右することになると言われてきました。

今の段階では、ほぼ飲食スペースとして使われていると思いますが、やはりプロモーション的にも当初想定していた集客イベントなど、積極的に企画して開催していくことがファンを増やしていくことになると思います。

それには、先ほど部長からも言われましたとおり、出荷者とのコミュニケーションを図ること、そういった環境づくりはとても大切で、どんどんやっていただきたいなと思いますし、また出荷者だけでなく、地元で活動されている各種団体等とも積極的にアクセスしていただきまして、意見交換したりして、地域の方々とさまざまな意見を交わしていただきながら、連携できることを模索し、できることからでいいので、交流スペースを有効に利用して、常にそこで何かイベントをしているよというような形をつくれれば、人が絶えずやってくるようなおもしろい道の駅になると思っております。

あと、道の駅について私も少し成功しているような道の駅とはどんなところなのかなというのを調べまして、いろいろとコンセプトについてだったりとか、運営についてだったりとか、調べてみました。

私は、道の駅をつくる当初の趣旨に合ったような、町内ではなく、町外の主に都市部から来られる人や観光客というのをターゲットとした内容が充実した施設とするべきで、町外からの交流人口を増やすことに意味があると考えていましたし、それが正解だと思いますし、そう話してきました。

皆さんどう思われますかね。そう思わないですかね。確かにね、それはある意味、間違いなく、目指すべきところと思うんです。

私もそれでずっと思っていたんですけども、調べてみて、ずば抜けて成功している道の駅っていうのをいろいろ調べてみたんですね。

じゃあそのコンセプトとプロセスに少しずれがあったんです。それは何か。成功しているところの多くというのは、実は地元のお客さんを重視しているということだったんです。

道の駅を長年研究、調査してきた法政大学の地域研究センターの客員研究員の山本裕子さんっていう方なんですけど、実は地元重視の道の駅のほうが収益が高い傾向にあるということを報告していまして、道の駅の役割を聞かれた440駅のうち、周辺住民への食材の提供と答えた171駅は、売り上げが他駅の1.5倍程度だと推測されたと言っております。

また、カンブリア宮殿など、数々のメディアに取り上げられている山口県萩市の道の駅萩しーまーとというところの駅長もこう答えています。

平日やオフシーズンを考えると、地元の支持が不可欠です。それには地元食材が重要です。生産履歴の点で、地物は信頼が高く、当駅は隣の市場の新鮮な魚や野菜など、地物シェアは8割。東京などにも出荷していますが、訪問客の5割というのが地元萩市内からですと答えています。

また、道の駅のコンセプトについても、次のように語っているんですね。論語に近い者喜び、遠き者来るという言葉がありまして、近所の人が喜んで使ってくれる店なら、そのうわさが広まっていって、よそからも人が来るようになるという意味だそうなんですけれども、それがほんまもんだなと思ったんですねと答えてらっしゃいます。

それから地元の人に喜ばれる道の駅にしよう。そう考えた駅長は、あえて観光客を捨てる決断をしたようです。

今年のタウンミーティングでも、私、参加させていただいたんですけども、住民の方から話題として多く挙げられた道の駅みさきなんですけども、よく似たような質問も見受けられたように思います。

あれは町外の人をターゲットにした施設だからと、そういうように思われてしまうと、地域の人たちが離れていってしまうことになりそうな気がします。

そうならないためにも、地元に愛されるような、そして通ってもらえるような内容にしていかないと、とどのつまり長期的な視点で考えたときに、町外の方や観光客もおもしろいとは感じてもらえなくなり、寄ってってはもらえないということは、ごく普通の自然ななり行きなのかなと思ったりします。

その点は現在の指定管理者の方の考えとか経験というのがそんなにずれてはないように思いますし、そうやっていただけるのではないかなと私はとても期待しております。

その上で、私が先ほど申し上げた出荷者、そして地域団体や住民とよくコミュニケーションを取っていただいて、新しいものやことを生み出していってほしいなと願っております。

また、交付金を活用した事業の有効度、達成度などを検証するための事業活用調査が今後実施される予定であるということをお聞きしまして、さらに分析が進むことで進むべき道がより明白になり、運営の軌道修正をしやすくなるので、さらなる改善を期待しております。

ただ、道の駅が地元のお客さんを重視した運営にしていくことで、課題として残るのが、やはり地元、昔から運営されているスーパーだったりとか、というところとの関係をどううまくしていくかなんですけれども、この問題は別のトピックとなるので、次回以降、取り上げることとして、この質問は終わりたいと思います。

 

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