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R4年12月岬町議会一般質問/子どもたちの運動能力向上と住民等の社会参画を促進させる、スポーツ指導者の発掘・育成の仕組みづくりを提案

R4年12月岬町議会一般質問/子どもたちの運動能力向上と住民等の社会参画を促進させる、スポーツ指導者の発掘・育成の仕組みづくりを提案

質問の主旨

岬町には、スポーツ少年団やタコクラブなど、子どもたちがスポーツに触れられ挑戦できる団体がありますが、今その指導者不足により、十分な活動ができなかったり、後継者がいないことにより今後の存続が危惧されているスポー
ツがあります。

近隣の大学生や住民等が指導者として参画できる仕組みをつくることで、その課題解決と、住民等の社会参画の促進につながると考えます。

そんな良い循環となる仕組みづくりについて、町の見解をお聞きします。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

今回、私もモニターと、そして配付資料を使わせていただきまして、一般質問を始めたいと思うのですが、まず謝らないといけないのが、頭紙、かがみというものを付け忘れていまして、そこに、どこかでもいいですから、松尾 匡、令和4年12月議会一般質問の参考資料と記載していただければ幸いでございます。

それでは、始めたいと思います。
子どもたちの運動能力向上と、住民等の社会参画を促進させる、スポーツ指導者の発掘・育成の仕組みづくりということで始めたいと思います。

岬町には、子どもから高齢者まで様々なスポーツに触れられ、挑戦できる団体があります。しかし、少子高齢化が急激に進む中、団体運営やその他様々な課題が浮き彫りになってきております。

その中の一つとして、スポーツ指導者が減少して、後継者が見付からずに、そのスポーツ団体を今後運営していくことが困難に陥っているものもあります。
スポーツは、各個人の健康維持の増進だけでなく、健康維持による医療費の抑制を見込めたり、また一方では、団体への所属により地域のコミュニケーションのきっかけともなっており、地域を明るく活き活きさせる要素もあり、今ではスポーツが地域の町おこしとなっているところも少なくありません。

そんな住民の健康増進だけでなく、地域社会の活性化にも期待できる魅力を秘
めているスポーツ、それを提供されている町内団体をしっかりと支え守っていくこともこれからの行政のあり方としても必要であり、重要と私は考えております。まずは、岬町に設立されている、現在ある各スポーツ団体の現状を把握されているかどうか、もし把握されていらっしゃるならば、その現状の詳細をお聞きしたいと思います。

● 小川 教育委員会事務局理事

岬町のスポーツ団体の現状と課題ということでございますけれども、本町のスポーツ団体は、体育協会、スポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブのタコクラブがありますが、特に指導者を必要とする団体はスポーツ少年団とタコクラブでございます。

スポーツ少年団は日本最大の青少年スポーツ団体で、スポーツを楽しむだけではなく、社会活動やレクリエーション活動を通して社会のルールや思いやりの心を学ぶことを目的としており、本町では、昭和50年4月に発足し、現在、社会教育団体として位置付けられています。

一方、総合型地域スポーツクラブは、性別や年齢に関係なく、地域の誰もが継続的にスポーツに親しむことができる環境づくりを目指し、世代を超えた多世代がスポーツに参画できることを目的としています。本町では、タコクラブとして平成17年5月に発足しています。

各々の団体の現状ですが、岬町スポーツ少年団は、現在9種目で、小学生から中学生を中心に173名が加入しており、指導者の数は65名です。この団体は、指導者の世代交代を数年前から行っており、指導者の年齢は30代後半から50代で、指導者不足や高齢化の問題はありませんが、年々減少する会員数が課題となっております。

その対策として、学校を通じて児童、保護者へのチラシの配布により会員募集を随時行っています。

タコクラブは、現在、主たる種目は7種目で、そのほか5団体が体験教室を開催し、誰もが参加しやすい環境を作っています。

会員の年齢は6歳から84歳と幅広い世代層が加入しており、会員数は現在117名です。指導者の数は、スポーツ少年団の65名に対し13名と少なく、指導者の年齢層は50代から80代と指導者の高齢化や指導者不足が課題となっています。

タコクラブはこれまで生涯学習課と連携し、近隣の大学へ学生ボランティアの募集についての協力を行ってまいりましたが、数名程度しか協力者がおらず、抜本的な問題解決には至っておりません。

指導者不足は本町のみならず、他市町村、全国的にも同じ課題を抱えており、各団体の積極的な取組が今後必要になってきます。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の質問

先ほどのご答弁にありました中には、体育協会、そしてスポーツ少年団、総合型スポーツクラブであるタコクラブということが挙げられました。それぞれ団体の目的が違うということが分かります。

その中で、私が冒頭に課題として挙げましたスポーツの指導者不足を受け
て、特に指導者を必要とする団体として、スポーツ少年団とタコクラブの詳細な現状をお聞かせいただきました。

スポーツ少年団は年々、会員数が減少しているけれども、指導者の世代交代が進んでいるということですが、タコクラブについては、指導者の高齢化と指導者不足が課題となっていることが分かりました。

この指導者の後継者問題について、ある方から、私に相談をいただきまして、私も町の現状や他市町の総合型スポーツクラブの状況、また、これら課題をうまく解決している地域や自治体というのがないかどうかというのを調べてまいりました。

そこで、資料1またはモニターをご覧いただければと思います。

総合型地域スポーツクラブの概要を表す図


今、映し出されているモニター、資料1で説明させていただきますと、総合型地域スポーツクラブの概要や取り巻く環境というのを図にしたものでありますが、基本的には、地域住民による
運営、そして参加で成り立っている独立した組織であるということが分かります。

運営側としては、総合型スポーツクラブという位置付けであることによる多種目、多世代、多志向の理念の下、クラブマネジャーや指導者、ボランティアスタッフなどクラブ運営をしていく上で必要な運営側で参画してもらえる人材の発掘と参画要請、その上で各スポーツを安全に、そして適切に開催できるよう日々の準備などの運営、また、そこに参加してもらえる会員を増やすための働きかけや広報などなど、同時に行っていることが分かります。

そういった日々の多種多様な運営業務をされている、していただいているからこそ、私たちの誰もが会費を支払えば触れられて、挑戦して、そんなスポーツに参加できるという良い環境が今あります。

これらは非営利で運営されており、とても安い参加費で様々なサービスを受けられる状況にあります。このため、設立の効果として、様々なメリットがあることが次の資料2の上半分のグラフをご覧いただくと分かると思います。

総合型地域スポーツクラブの設立効果を表すグラフ

これは、文部科学省の実態調査の集計結果を示しておりますが、住民のスポーツへの参加機会の増加、住民間の交流の活性化、元気な高齢者の増加、子どもたちが明るく活発、地域で子どもの成長を見守る機運の上昇、地域が活性化し、地域住民が健康になったなどなど、まさに今後のまちづくりとして目指したい結果が上がっておりますね。

 

しかし、冒頭に触れた総合型地域スポーツクラブが抱える課題も山積していることが、資料2の下半分のグラフを見て頂ければ分かると思います。

総合型地域スポーツクラブの現在の課題を表すグラフ

たくさん課題がある中で、上位三つに上がっているのが会員の確保、そして財源の確保、そして指導者の確保となっております。

私たち地域住民の自主運営で行う独立した組織であるために、この三つの課題というのは、私たち住民が積極的に参加、参画するなど、みんなで協力していくということはもちろん、町行政や地域の企業のサポートや支援がなければ、今後もずっと付きまとう課題であり、持続可能な運営が非常に厳しいものになるというのは容易に想像できるかと思います。


岬町を見てみると、タコクラブは、特に指導者の確保については深刻であるとお聞きしております。その課題解決に何か良い方法がないかと私なりに調査をしてまいりました。

近隣では、熊取町が地元の大阪体育大学と協働し、DASHプロジェクトという協定を結んでおります。

これは、長く楽しく元気に暮らせるまちづくりの推進ということで、一つ目に運動・スポーツの推進、二つ目に健康寿命延伸や医療費等の削減に向けた取り組み、三つ目に運動・スポーツ等施設の共同利用の検討、四つ目に職員による人事交流の検討、五つ目、新たな施設・環境整備の検討、この五つを協働で進めているということです。

その中で、1番目の運動・スポーツの推進事業という中では、小学生を対象とした小学校放課後スポーツ教室事業や中学校運動部活動へ大学生を指導者として派遣する事業を進めているということなのですね。

スポーツと教育を融合させることにより、従来のスポーツ教育における体力・技術力の向上のみならず、スポーツにかかわる総合的な人材育成の実現を目指しているということです。

このことにより、町としてはスポーツ指導者の確保となり、学生としてはフィールドワークとして実際の現場に入って体験できる場の確保となっており、熊取町と大阪体育大学ともにWin-Winの関係性を築いておられます。

岬町行政として、現在、岬町の総合型地域スポーツクラブであるタコクラブへの支援やサポートというのが少ないと聞いております。岬町としても、例えば近隣の和歌山大学などと連携できるような、このような協定を結ぶ話し合いを持ってはどうかと思いますが、いかがでしょうか。

また、学生が地域に積極的に入って取り組めるよう、学業内の単位化までそういうのが制度化できれば、よりよい強固な連携、そして協働の取組となるように思います。

指導者不足の課題について、岬町はどのようにお考えになっているのか。また、これら課題に対して、私が先ほど申し上げた提案例など、岬町として協働することは考えておられないか、お聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

● 小川 教育委員会事務局理事

先ほどご質問がありました課題に向けた本町の取組について、お話
をさせていただきます。

さきに述べましたとおり、タコクラブ等も含めた新たな指導者の確保につきましては、私どもの長年の課題でございまして、本町としては、タコクラブの持っている指導者不足の課題に就いて共有していきたいというふうに思っています。

加えて、今、大学との連携等々のお話もございますけれども、私どもも、さきに述べましたように、タコクラブと一緒に大学のほうに行かせていただいて、それぞれのアプローチをさせていただきました。

細かい大学の制度につきましては、まだ大学のほうから情報配信はされていませんので、この辺についてはコメントできませんけれども、我々としても今後、各団体の指導者不足を解消することを前提にしまして、側面から協力をしていきたいと思っていますが、まずもってタコクラブそのものが指導者不足をどうお考えになっているかというところを情報的にタコクラブについてご議論いただいて、それについての問題提起をしていただいた中で、我々としても
一緒になって考えていきたいと思います。

そもそも町の中にはいろんな方々がいらっしゃいます。指導者として、言うたら希望される方もいらっしゃいますし、それによって、教育的に、我々としてはスポーツの指導者としてどう教育していくのかというのも側面的な部分で協力させていただけることでございますので、加えてお話をさせていただきたいと思いますが、現在、国のスポーツ庁では、学校部活動において新たな地域クラブ活動のあり方について整備を進めています。

学校活動の地域連携や地域クラブ活動への移行に向けた環境整備におきましては、先ほど申しましたように、まずは運営団体となるところについての体制整備というのを段階的に進めていく必要があると考えています。

地域の子どもは、学校を含めた地域で守るという意識の下で、地域の持続可能で多様な整備をしていくために、国の補助金等も活用しながら準備を進めていく必要があると考えています。

の中で、指導者の人材確保のために、次世代の指導者の育成を図るなどの体制づくりが必須となります。

今後は、地域の人材のみならず、先ほど議員がおっしゃいましたけれども、大学等の連携で学生ボランティアの協力のニーズも高まってきます。それによって、改めて近隣の大学とも連携を図っていきたいというふうに思います。

岬町議会議員 松尾 匡(まつお ただし)の要望

指導者不足を課題として捉えておられるということですね。また、その課題解決として、近隣大学との連携、そしていろいろな取組、話し合いも含めて、指導者の人材確保のために次世代指導者の育成を図るなどの体制づくりを進めていただけるということで、よかったなと思いますが、ぜひお願いしたいと思います。

私からは、この件の先進的な取組事例を交えたまちづくりの視点からの、またはまちづくりの視点を踏まえた新たな提案をしたいと思います。

 

 

資料3の上段をご覧いただきたいと思います。これは、一般社団法人彩の国SCネットワークというところが提案しているものなのですが、放課後キッズスポーツクラブというのを紹介します。

小学生かける総合型スポーツクラブの関係性を構築するため、放課後の子供を見守る3sクラブ発足として「放課後キッズスポーツクラブ」の紹介

総合型スポーツクラブは、小学生の関わり方が限定されるという課題、また一方で、小学生の子を持つ共働きの親は、子どもが独りで家にいることに不安を抱いているという双方の課題を解決できるアイデアとして、放課後にスポーツを学びながら小学生を見守るクラブを設立することで解決できると考えております。

このクラブがあることで、子育て世帯が安全・安心でとても住みやすいまちとなりますが、実は、これはもう既にタコクラブの中にキッズスポーツというのがあるんですね。

今日、私が課題に挙げた指導者不足に悩むクラブ、そのうちの一つなんですね。
ここをまちづくりの一環と捉えて、行政がしっかりと支援、そして広報していくことで、他市町より子育てしやすいというまちをうたえるかなと思います。

 
 
 
また、資料3の下段をご覧ください。
指導者シェアバンクというのを紹介しますが、指導者不足の課題というのは、同時にスポーツ指導者の質が担保しづらいという側面的な課題もあります。

部活動指導員の質の差を解消する、スポーツクラブが指導員かける部活動の仲介役を担う「指導者シェアバンク」の紹介

 
それを解決できる方策として、総合型地域スポーツクラブの指導者バンクを創設するということで解決できるというようにも考えております。
ある一定のスポーツ経歴や指導の経験を持っているなど、事前の審査や指導者登録の後に一定の指導者講習を受けていただくなど、子どもたちを指導する前に取り組むべきことはいろいろ必要になってくるでしょうが、事前に行政とクラブが協働して、指導者になっていただける方を発掘し、登録を事前に進めていくことで、急な事情により指導者が辞めてしまったときでも、クラブの存続を守れたり、1人の指導者への負担を軽減できることにもつながりますね。
 
 
 

次に、資料4のリーダーバンクをご覧ください。
山形県の広域スポーツセンターというところでは、リーダーバンクやまがたという指導者シェアバンクというものを創設しているのですね。

登録されている指導員を、種目別で探せる「リーダーバンクやまがた」の紹介

右上の枠は、そのホームページを示しておりますが、指導員を探している方は、資料のように、あらかじめ登録されている指導者をスポーツの種目別だけではなくて、地域や資格の有無、指導対象や実績の有無など、各条件を入力すれば、希望する指導者を抽出できて探せる非常に便利なサイトになっております。

岬町としても、これは大掛かりなシステムになろうかと思いますが、アナログでも、こういった似たような対応ができると思いますし、独自で難しいなら、近隣市町村と連携した広域でのリーダーバンクを作ることは検討できるのではないかと私は思います。

 

 

 

また、資料5の上段をご覧ください。
元プロスポーツ選手のコーチ採用により、中学生の部活における教員の負担軽減とプロスポーツ選手の指導による子どもたちの心を大きく変えられるという提案です。

元プロスポーツ選手のコーチ採用の紹介により、部活動における教員の負担を軽減させ、プロスポーツ選手の指導は、生徒の心を大きく変えるという事例紹介

本日、サッカーワールドカップ、スペインに勝利しましたね。大変なにぎわいとなっております。子どもたちだけではなくて、本当にスポーツが人の心を大きく動かすということは、このワールドカップからもご理解いただけるのではないかと私は思います。

小川理事に答弁いただいた中にもありましたように、現在、学校教職員の皆さんの働き方改革において、国も学校部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行に向けた環境整備を進めようとしている中で、プロスポーツ選手のコーチ採用というのは、教職員の皆さんの業務負担の軽減と子どもたちの練習の質の担保ができて、指導者不足と指導力の格差の課題を解決できるものと考えています。

 

 

 

あと、資料5の下段をご覧ください。 ここでは、学校部活動と地域スポーツクラブ活動の違いというのを示しているものなのですが、こう見ていくと、国が進めようとしている学校部活動の地域連携、そして地域クラブ活動への移
行というのがそんなに難しいものではないのではないかなと。

学校の部活動と地域スポーツクラブ活動の違いを表す図

今後の協議によって十分移行できるものだと思います。ただ、これは岬町の教育現場の状況や各先生方のご意見などをよく勘案していく必要があるかと私は思います。

 

 

 

また、資料6をご覧ください。
ここでは、地域スポーツとトップアスリートによるトップスポーツの好循環推進プロジェクトとして、文部科学省スポーツ青少年局スポーツ振興課が示しております。

地域スポーツとトップスポーツの好循環推進プロジェクト(文部科学省)を説明する図

例えば、タコクラブにトップアスリートを活用して、地域のジュニアアスリート等を指導するとともに、学校に小学校体育活動コーディネーターを派遣することなどを通じて、地域スポーツとトップスポーツの好循環を実現できるというものです。

 

 

 

最後に、資料7をご覧ください。
これは、東京都の葛飾区にある総合型かつしか地域スポーツクラブの葛飾区教育委員会の生涯スポーツ課が示しているパンフレットなのですが、右半分の図をご覧いただきますと、私が先ほどお伝えした全てのことと、それ以外の団体などとの独自の様々な連携を取ることによって、左半分の図のように、生きがいづくり、人づくり、まちづくりが好循環で回っているという図です。

総合型かつしか地域スポーツクラブの紹介。ひとづくり、いきがいづくり、まちづくりが循環する紹介

このように、スポーツ分野に力を入れていくことで、様々な分野に好影響を与えることが分かります。

私の提案も参考にしていただきまして、ぜひ岬町のスポーツの視点からの好循環を生むまちづくりの実現をお願いしまして、この質問は終わりたいと思います。

 

 

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