R4年12月岬町議会一般質問/来町者と納税者を増やす「店舗型ふるさと納税」の仕組みの導入を提案
質問の主旨
従来のネット型ふるさと納税とは違い、実際に町のお店に訪れた方が商品を手に取って確かめた上でふるさと納税ができ、その場で返礼品を持ち帰られるため、交流人口と地域ファンの増加に繋がるなどのメリットがある「店舗型ふ
るさと納税」。
交流人口やふるさと納税額が伸び悩む岬町にとって、試すべきものと考えますが、町への導入について、町の見解をお聞きします。
来町者と納税者を増やす店舗型ふるさと納税の仕組みの導入についてお伺いしたいと思います。
現在、ふるさと納税を行う方のほとんどがインターネットを通じて行っていると思いますが、一方で、実際に町にある実店舗に来て、商品を手に取って確かめた上でふるさと納税ができて、その場で返礼品を持ち帰られるという店舗型ふるさと納税という仕組みがあります。
これは、今までのネット決済が主だったふるさと納税では難しかった、例えば、町の飲食店や商品が多種にわたり、1品が低額商品が主な、例えば道の駅などに導入できること、また、実際に町に来られた方が気軽にふるさと納税ができることなどで、例えば目立った特産品がなかったり、地場産業が発展していない自治体などから少しずつ導入が増えてきているようです。
先日、岬町議会として静岡県の清水町へこの件、研修にお伺いにまいりました。清水町が実際にこの店舗型ふるさと納税を導入した経緯やその仕組み、そして効果などを詳しくお聞きした中で、今回、一般質問をしようと決めたのですが、その動機として、清水町は、一つに、岬町と同程度の人口規模であること、二つ目に、岬町と同じで突出した有名な特産品というのがないということですね。
三つ目に、主な産業もないということで、もちろんとても良い仕組みであることと、岬町とよく似た環境である清水町で導入していることから、岬町にも導入できるし、合う制度であると考えたから今回に至りました。
今回は、その店舗型ふるさと納税の仕組みを導入してはどうかという視点で質問していきたいと思いますが、岬町のふるさと納税の現状もお聞きしていきながら、質問をしていきたいと思います。
まずは、岬町の過去5年間のふるさと納税の推移をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
● 寺田 企画地方創生監
過去5年間のふるさと納税額の推移についてです。
平成29年度は9,248件申込みがあり、9億9,827万9,712円の寄附金がございました。
平成30年度は6,190件の申込みで、8億7,790万1,701円でございました。
令和元年度は298件、862万5,847円でございました。令和2年度は222件、703万8,762円でございました。
令和3年度は301件、1,001万8,989円でございました。
先ほど回答にありましたように、5年ぐらい前は高額で換金性のある家電製品というのを岬町は返礼品にしていた背景があったので、納税額は本当に潤っていたというのが分かりますが、令和元年度より国の制度が変わってしまって、ふるさと納税が激減しているということも分かりました。
私もこの件、幾度かこのふるさと納税について、特産品開発を民間事業者、そして住民と一緒になって作っていく必要がありますよねということを提言させていただいてきましたが、職員の皆様がしっかりと今取り組んでいただいているおかげで、ちょっとずつ増えてきているのかなというように思います。
一方で、岬町に来られた来町者、来客者についてお聞きしたいと思うのですが、過去5年間の主要な観光関連施設への来客数をお聞きしたいと思います。
● 寺田 企画地方創生監
来客者数につきましては、平成29年度が141万人、平成30年度が130万4,000人、令和元年度が152万人、令和2年度が136万6,000人、令和3年度が142万8,000人でございます。
ここ3年はコロナ禍でありましたが、大きな落ち込みというのはなく、昨年度の令和3年度は少しずつ来客が持ち直してきているのかと思います。
次に、現在、岬町は暮らし応援商品券事業というものを実施しておりますが、事業者の登録数というのはどのくらいあるのかお聞きしたいと思います。
● 寺田 企画地方創生監
現在、事業者の登録者数が100店舗でございます。
100店舗の登録というのが分かりました。
一旦、ここで店舗型ふるさと納税というものをもう一度、私から説明したいと思います。
資料8というのをご覧ください。
店舗型ふるさと納税とは、インターネットではなくて、リアルな実店舗の市場でもふるさと納税ができるという仕組みです。
資料8は、ヤフージャパンニュースの記事を載せておりますが、店舗に置いてあるQRコードをスマホで読み取っている写真が写っていますね。
ここでは、道の駅でふるさと納税をしている様子を写しておりますが、道の駅に置いてあるQRコードをスマホで読み取り、表示されたペー
ジに名前など個人情報を入力すると、ふるさと納税ができて、完了後は返礼品をその場で持ち帰られるというものです。
具体的な例を挙げますと、資料の下のほうに記載しているように、例えば1万円を店舗型ふるさと納税で寄附した場合、納税額の3割程度の返礼品として、3,000円分の商品券のお買物券などが発行されて、店内で使用できるといった仕組みで運用されていたりしています。
様々あると思いますけれども、一例としてはこんな感じかなと思います。
道の駅などでは、QRコードの読み取り以外に、例えば自動販売機でその仕組みを運用されていたりもしているようです。この仕組みであれば、従来のネット型ふるさと納税では対応が難しかった低額商品でもふるさと納税の返礼品としてできるようになります。
資料9をご覧ください。
自治体やお店にとっての導入のメリットとしては、送料が不要になることや受発注管理が不要であること、そして他店舗と比較検討されにくい、これは価格競争に巻き込まれないということなのです。そして、12月以外の閑散期でもふるさと納税を見込めるということ、また、町へ訪れるリピーターの増加や町のファンづくりにもなるということが挙げられております。
納税をする側の実際の利用の流れとしては、店舗に置いてあるQRコードを各自のスマートフォンのQRコードリーダーで読み取り、1番目に、スマホに表示されたページで寄附項目を選択する、2番目として、寄附者の情報を入力して送信後、3番目に、店舗側で受取確認が完了すれば、無事寄附が完了するというものです。
資料10をご覧ください。
店舗型ふるさと納税は、実際にその土地に訪れ、そこにある飲食店で食事をしたり買い物をしたりできるだけではなく、その土地でしかできない体験もできることが最大のメリットで、特産品が少なく、今、ふるさと納税の税収が伸び悩む我が岬町の新たな税収確保の手段として最も適している方法なのではないかと思うのですね。
岬町にはゴルフ場が二つもありますし、釣りスポットとしてたくさんありますし、人気もあります。遠くからそのお店を目的として岬町を訪れる人も今増えてきております。
だからこそ岬町にある企業や店舗としっかりと連携して、さらに岬町を訪れる人が増える仕組みとして、この制度をうまく活用すべきではないでしょうか。岬町への来客数が安定していること、そして岬町には100店舗以上、お店があるということで、導入にとてもよいのではないかと私は考えます。
町として、この店舗型ふるさと納税の導入について、見解をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
● 寺田 企画地方創生監
訪れた土地の飲食店や販売店の店頭でふるさと納税を行い、返礼品を受け取れる店舗型ふるさと納税は、従来のネットショップ感覚で返礼品を選ぶのではなく、訪れた現地の魅力を通して物や体験の返礼品を選んでもらい、寄附につなげる仕組みになっており、交流人口の増加やふるさと納税を増やす有効な手段の一つであると考えております。
また、店舗型ふるさと納税の特徴については、一つ目として、現地で寄附後、その場ですぐに返礼品を受け取れる、2点目として、体験やサービスにも利用が可能である、3点目として、地域の魅力を現地で体験できる、4点目として、地元企業の活性化に貢献できる、5点目として、町と事業者が共に町の魅力を発信できることが特徴となってございます。
本町におきましても、多くの返礼品作りに努め、財源確保、また地域経済の活性化につなげることは大変重要であると認識しております。
議員ご提案の店舗型ふるさと納税の導入につきましては、コストなども含め、先進事例等を参考に、現在、検討を行っているところでございます。
先ほども申し上げたとおり、岬町には観光資源となるもの、訪れたくなる要素はたくさんあります。
町のPRとしても、店舗型ふるさと納税は活用できると考えております。
ぜひ前向きな検討をお願いして、この質問は終わりたいと思います。