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R3年6月岬町議会一般質問/役場内の組織や体質についてを問う!

R3年6月岬町議会一般質問/役場内の組織や体質についてを問う!

質問の趣旨

若い職員がたくさん辞めていく背景に何があるのか?

現在の役場内組織と体質について、松尾ただしが検証します。

松尾 匡の質問

役場内の組織や体質についてです。
ここ数年、年度末の退職者辞令交付で私が気になることがあります。

例えば、定年退職を迎えた職員だけではなくて、主に若手の職員が早期退職をしていることです。それが、私には年々増えているように感じてなりません。

ここ数年で早期退職した職員は何名いるのでしょうか。
また、人事担当として、その退職理由や原因を把握しているのかどうか、お答えいただけますでしょうか。

● 廣田 まちづくり戦略室理事

松尾議員のご質問にお答えします。
公務員の早期退職に関しましては全国的に増加しており、本町でも例外ではありません。

ここ数年来、早期退職者、特に入庁後数年の退職者が増えております。

まず、過去5年間、平成28年度からの早期退職者の推移についてご説明します。

平成28年度には4名の早期退職者でございました。平成29年度には6名、平成30年度には6名、令和元年度には7名、令和2年度には8名の早期退職者が発生しております。

退職理由としましては、一般的には新たな目標ができたことによる転職など、価値観の変化によるものが多いようです。
本町職員の退職につきましては自己都合によるものとの届出が出されており、退職理由等につきましては、人事担当としましては本人から分かっている場合もありますが、あくまで自己都合との申出でありますので、この場で詳細を申し上げることはできません。

松尾 匡の質問

やはり、年々増えておりますね。
もちろん、退職の理由は一身上の都合によるという表記が基本となっておりますけれども、喜ばしいことでもない限り、その理由は伏せられることが多いですね。

先ほど述べられた理由ですけれども、やはりマイナス要因をここでお話しできないこともよく理解しております。

実際、転職を考えた人は本当に皆さんがやりたいことを見つけての転職だったのでしょうかね。
誰もが当初、この岬町役場に就職してきた決意、そして高い志を持って入庁してきたはずですね。

転職活動を始めるきっかけとなる動機が誰しも必ずあるはずです。

得てして転職は大きく二つの理由に分かれます。

一つ目は、先ほど申しました、やりたいことを見つけての転職。もう一つは、現状に不満が募り行う転職です。
高い志があったにもかかわらず、半ばで岬町役場を去ることを決めた若手職員たちが、なぜその道を選んだのか。その理由をきちんと理解して、今後の職員育成につなげていかなければ、ますます離職者が増える一方となりますが、今後、若手職員の早期退職を防ぐための方策を何か考えられていますでしょうか、お答えいただけますか。

● 廣田 まちづくり戦略室理事

松尾議員のご質問にお答えします。

若手職員の早期退職を防止する方策としまして、職員研修等による個々のスキルアップを図るとともに、職員のモチベーションを図る取組が必要だと考えております。
その取組の一環としまして、今年も「全員研修でまっせ」を実践し、職員全員がマッセOSAKA等が主催する研修へ必ず一つ以上参加してもらい、スキルアップを図り、他の自治体職員との交流を通じて、自身の考え方や仕事の方法などを見直す一助になればと考えております。

そのほか、庁内研修として本日実施されております議会傍聴研修、それから、後日予定しております行政事務基礎研修、防災研修など、令和3年度におきましても引き続き多くの職員に研修参加を推奨してまいります。

また、近隣4町で構成する泉州地域地方自治講習会での管理職研修としまして、管理職向けのコミュニケーション研修やイマドキ世代の育て方研修、多様化する部下との関わり方研修、日常の面談スキル向上研修などを比較検討しておりまして、課内のコミュニケーションのより一層の円滑化を図り、若手職員との良好な関係性の構築を強化する方策としたいと考えております。

それから、新たな試みとしまして、公民連携促進に関するものですが、有能な民間人材の知見や才能、実績を活用し、地方創生の推進を目的とし、本町におきましても5月28日に連携協定を締結し、取組を始めることとしております。

最初の取組としまして、本町のホームページ、広報誌やSNSなど、情報発信力の強化を図るため、広報戦略アドバイザーを登用し、各課の若手職員参加による検討会を8月から10月に行う予定としております。

優良な民間人材と「協働・共創」する、共に働き共に創り上げるということは本町職員にとっても大きなメリットが期待され、風土が異なる民間事業者の人材と共に仕事を行うことで様々な刺激を受け、モチベーションの向上が図られると考えております。

また、仕事の進め方など民間のノウハウを学べ、事業実施や政策立案の幅が広がるなど、職員個々のスキルアップも期待されます。
今後、これらの取組を通じ、職員のスキルアップやモチベーションのアップに努め、早期退職者の抑制を図りたいと考えております。

松尾 匡の質問

先ほどのご答弁で様々な研修をしていくということですね、これも大事なことと思います。
しかし、今のお答えで、町独自として行っている研修の中では、本当に職員が望む形の研修が行われているかどうかというのはちょっと言い難いのではないかなと私は思うんですね。

入庁当時の基礎研修や管理職への研修を町独自で行っているということですが、実際、辞めていくのは大阪府が行う研修を受けるのみにとどめさせている業務に慣れてきた若手職員ではないかと思うんですね。

そもそも管理職の研修を行い、部下との接し方というのをマニュアル化しようが、新入職員の基礎研修を行って基本的な行政事務や役場のイロハを覚えようが、結局は人と人とのつながりではないのでしょうかね。

業務で悩んでいることや人間関係などでも安心して相談できる信頼関係を構築することのできる組織体制であれば、イマドキ世代の育て方研修とか多様化する部下との関わり方研修などというような、どちらかと言うとマニュアル化された考え方を教えると言いますか、押し付けないでもいいのではないかと私は思うんですね。

職場で様々な出来事や事由により精神的な傷を負い、心の病に陥って休まれている方も過去からよく見受けられます。
また、休まれてはいませんけれども、今、SOSを出されている方もいらっしゃると思うんですね。

私はこの問題、2年前にもメンタルヘルスケアについて一般質問をして、改善の提言をしてきましたけれども、残念ですが改善しているようには見受けられません。これも、とても大きな問題だと思うんですね。

現場で起きているメンタルヘルスの問題、町長、これトップとして把握されておりますでしょうか。また、このゆゆしき事態をどうお考えか、お聞きできたらと思います。

● 田代町長

質問は現場で起きるメンタルヘルスについて、つまり心の病、心の健康と言ったほうがいいのかな。そのことについて、町長はどのように把握しているのかということだと思います。

職員の心の健康の問題に関する質問に関しては、個人情報という立場から、この場では詳細なお答えはできませんけれども、心身の不調に関する職員の状況に関しましては、人事担当から逐次報告を受けております。

そういったことで、中身についてはできるだけ把握をしておるつもりであります。

松尾 匡の質問

今、職場環境がよくないのではないかというようなことを、役場の雰囲気を感じて住民の皆さんも心配されているんですね。疲弊しているのではないかということですね。

部下のSOSに気付いて、目をそらさずに応えようとしている、それこそここにいらっしゃる部課長の皆さんがいるということも私は聞いておりますし、そう信じております。

しかし、現実は心の病で休まれている方、そして早期退職者が増加しているという現実がありますね。
こうなれば、組織の長で人事の最終決定者であり最終の責任者である町長が問題解決に動くべきではないのかなと私は思います。

組織はトップがどう動くかによって大きく変わると考えています。
そこで、町長にもう一度お伺いしたいのですが、どのような対応を今現在されていたり、今後されるおつもりなのかをお聞きしたいと思います。

● 田代町長

先ほども申し上げましたとおり、人事に関する問題ですので個人個人の人権にもふれるかなと思いますので、できるだけ答弁については気を使っておるわけですけれども、町長だったらどういう対応をするのかと、こういう質問にあえて答弁させていただきますけれども、松尾議員も社会人として会社勤めをされてきた経験もあろうかと思います。

そんな中で、職場環境もいろいろと問題もあるだろうし、また家庭的にも問題がある、個人的に、体の健康上の悩みもある、そういう人それぞれいろいろな悩みを持って現実社会での生活をしておられると思うんですよね。

そんな中で、役所に勤務されて役所の環境が合わなかったり、また人間関係が合わなかったり、また家庭的な事情もあったり、人それぞれいろいろな問題を抱えて、最終的には退職をされていくというのが本来の姿であろうと私は思っております。

しかし、そんな中で、この方については町長、話を聞いてくれないかという話があったら、それはきちんと私は本人と面接をしながらいろいろな事情を聞いたりしております。
そんな中で、これはやむを得ないなということについてはあえて引き止めもしませんし、もう少し頑張ったら早期退職しなくても済むだろうというときには、もう少し頑張ってみないかとか、いろいろな声掛けはしっかりとやっております。

それも、また人事担当が心のケアの問題のある退職予定の方があるとしたら、家庭に訪問したり、いろいろなことで精一杯の努力をしながら早期退職にならないようにしてきた経過を私は見ているし、聞いていますので、これ以上この問題に触れることは私はいかがかなと思いますので、自己都合ということで早期退職される方であろうと理解しております。

松尾 匡の質問

町長のお考えは理解しました。
これは、もちろん個々の問題というところもあろうかと思うのですけれども、ただ、これが増えてきているということなんですよね。

私はこの問題について、組織の雰囲気であったりとか、あと体制であったりとかのところに目を向けて今話をしております。
もちろん、個々の問題というのはあるかと思うのですけれども、どこかに改善点があるならば改善できたらいいなと、それをやって改善したらいいなというところで私は今日は質問をさせていただいております。

続けます。これ、一人にかかる仕事や責任の負担が大きくなり、苦しんでいる方も少なくないように見受けられます。
坂原議員が同様の質問をされていたかと思うのですけれども、私も違う視点でお聞きしたいと思うのですが、仕事量と責任というのが今、負担傾向にあると。そこで苦しんでいる方もいらっしゃる。

また、その逆で苦しんでいる方というのもいるかもしれないですよね。
それは、各部課の人員定数や人事評価の根拠、原因というより根拠ですね。が、不明なための不公平感という問題もあるのではないか。問題というより、そういう課題があるのではないかと私は考えて今日は質問させていただいています。

不公平感は職員のモチベーションを下げて、職場の雰囲気を悪化させ、そして生産能力を結果的に低下させますね。
人事評価の制度や各部課の人員定数の根拠というのはしっかりありますか、これも町長お答えできますか。

● 廣田 まちづくり戦略室理事

松尾議員のご質問にお答えします。
人事評価につきましては、給与、昇給の反映など、また人事担当で組合協議を続けておりまして、人事評価の実際のお給料や昇給の反映には至っておりません。

それから、定員管理計画につきましては、今般、国会で審議されております国家公務員法改正法案での公務員の定年延長の考え方を踏まえた新たな定員管理計画の作成が必要だと考えております。
また、研修による職員個々のスキルアップ、管理職の適正な業務マネジメント、応援体制の指
示など、各職場の業務遂行に違いが生じないよう、また不公平感を感じさせることがないよう努力している次第でございます。

松尾 匡の質問

そうしましたら、今のところ根拠がないということでよろしいですか。
分かりました。

各部課の事務量、これ、これから私の話の中での問題解決の方法としての提案を私はしたいと思います。
各部課の事務量について、繁忙期、閑散期が年間の月ごとに分かるような表というのを作ったらどうかと思うんですね。

いわば、事務量の年間の見える化を実施すれば、各部課の適正な人員配置計画ができるように思います。

この考え方として、繁忙期に入った部署への応援を、過去にその部署で仕事の経験のある、比較的閑散期の部下に、今、所属の職員で補い合い、部の縦割りを超えて一時的にも応援できる仕組みをつくれば、少ない人員の中で最大の効果を上げられるように思うのです。

また、何らかの理由で職員が予期せぬ長期休暇や退職で人手不足が生じたときにも、事前にセーフティネットの構築が可能なので緊急時も対応できるはずですね。
そして、事務量の見える化を全職員が共有して助け合い人事というのが進められれば、おのずと離反が少なくなるし、部の縦割りを超えた提案をしたりとか、それを受け入れる土壌ができたりとか、ワンチームへ向かいやすいのではないかと私は思います。

不公平感のない各部課の適正な評価制度の構築と併せて実施すれば、職員のモチベーションの維持につながり、結果として生産性も格段に向上すると思いますけれども、事務量の見える化、年間の見える化を実施しませんか。

これ、言葉では分かりにくいと思いますけれども、表がありますよね。それの横の軸は1月から12月の月、そして縦の部分は部課で1月から12月までどこが忙しいのかというのを分かりやすくする表なんですね。

それをもっと細かくすれば、ある程度マネジメントできるのではないかというような提案ですけれども、いかがでしょうか。

● 廣田 まちづくり戦略室理事

松尾議員のご質問にお答えします。
各部が抱える諸問題については、町行政トップの町長と共有し、また解決策を一緒に考えてい
くことを目的に年間2回の懸案事項ヒアリングや毎月行われる部長会議等におきまして、執行体制の状況を把握しております。

また、令和元年、令和2年度においては部をまたいだ人事応援を行うなど柔軟な対応を行ってきたところでございます。

令和2年度には新型コロナウイルスワクチン接種を目的とし、組織を横断的に活用するためプロジェクトチームを設置するなど、臨機応変に全庁的に助け合える職場対応を行っているところでございます。

それから、先ほどの答弁で事務量の把握を全くしていないような答弁をしてしまったのですけれども、毎月、超過勤務の実態調査ということで、時間外勤務をどれだけ行ったのか、それからどれだけ年次有給休暇、特別休暇を取れたのかということで、勤務の実態調査を行って業務量の把握に努めております。

松尾 匡の質問

されるかされないかは明言がなかったので、それ以上突っ込みません。
ただ、この問題は本質を突いて解決策を考えてそれに着手するということをしないと、今後どんどん増えていきます。

現実、これ過去からずっと辞めていく人もいますよね。いずれか、何らかの対策を練らないといけないと思います。これだけは言っておきたいなと思います。

仕事場で過ごす時間というのは、人生において2割から3割と言われております。お互い気持ちのよい関係を構築するということが仕事をする上で何よりも大事ですね。
職場においては上下関係かもしれませんけれども、根本としては、人と人なのです。人と人は対等であり、正しく認識することができれば快い関係性を構築することができると私は考えております。

職員のために組織改革することが、ひいては住民サービスの向上につながり、住民満足、そして町の発展へとつながるはずです。
風通しをよくすることや、何かあったときにきちんと聞いてくれて対応してくれるという安心感が持てる職場環境を築いていくことが急務です。

職場環境の問題に対し、私からは以上の提言をさせていただきこの質問を終わります。

 

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