R2年12月岬町議会一般質問/岬町行政事務におけるペーパーレス化推進と体系組織に囚われないチーム創設を!
質問の趣旨
今回岬町議会でも提案したペーパーレス化を行政事務にも早急に取り入れ、業務効率化を図れば働き方改革にも繋がります。
そして、効率化が叶えば職員が更に業務に取り組める時間が生まれることから、新たなチーム態勢を取り入れて、壁のない業務体制を構築することを、松尾ただしが大阪府泉南郡岬町議会で提案します。
この12月議会が始まる前の議会運営委員会で、私は岬町議会におけるペーパーレス化についての提案をしました。日常生活の中でパソコンやスマホが当たり前のように使われているからこそ、議会の運営をデジタル化すれば、紙の使用量やコピー代の大幅な削減になるほか、スムーズな議会進行やデータの共有が可能になるなど、様々なメリットがあります。
現在、国としてもデジタル庁が設置され,市町村行政でもオンライン申請を既に取り入れ始めている事例が出てきております。少し申し上げたいと思います。これ調べただけでも、宮城県仙台市は今年度からオンラインを活用し、来年度早々にデジタル化推進計画を策定して、一気に行政事務のデジタル化を進めていくという方針です。
一方、石川県加賀市、有名ですね。マイナンバーカードの情報を利用した個人認証できるアプリでのオンライン申請の導入を全国で初めて行い、まだ可能な申請は少ないけれども、今後、どんどん増やしていくということだそうです。また、身近な自治体を紹介しておきたいと思います。
ここ大阪府内でも、大阪市が大阪市行政オンラインシステムとして令和2年8月から住民票の写しの請求がオンラインで申請可能となっております。そのほかにも、要支援、要介護認定申請、児童手当の認定申請、子ども医療費助成の資格認定申請、納税証明書の交付の請求など、多くの申請が令和2年度中にオンライン申請が可能とする予定としているそうです。
行政事務のオンライン化は事務を担っている職員の書類整理などの事務作業を大幅に減少させ、業務効率化が期待できるだけでなく、住民にとっても大きなメリットが生まれます。さきに言ったとおり、大阪市で導入予定の各申請オンライン化というのは、特に役場の開いている時間に来ることが困難な、例えば子育て世帯や、また体が不自由で役場に来ることが難しい高齢者などが、窓口に来なくても申請ができる上、記入量の多い申請書がスマホやパソコンで申請できるようになれば、より住民に寄り添った行政サービスになると言えます。
そして、今問題になっておりますコロナ対策にとっても沿った形になるはずです。もちろん、紙の削減にも大きくつながることでしょう。そこで、岬町行政で使用されている紙の量とコピー代についてと、行政事務のデジタル化、申請のオンライン化を取り入れる予定はあるのかどうか、併せてお伺いしたいと思います。お願いします。
●岬町 西総務部長 の答弁
令和元年度の本庁舎で使用しているコピー用紙とコピーですが、用紙枚数では263万6,500枚、費用として224万8,079円。コピー枚数につきましては60万4,654枚、費用といたしましては106万3,448円となっております。
行政事務のデジタル化というご質問のほうでございますけども、議員ご紹介のとおり、国のほうではデジタル庁を設置して、行政システムのデジタル化を強力に進めていくという考え方が示されております。午前中の竹原議員の答弁でもお答えはさせていただいておりますが、本町におきましても国の動きに連動して行政文書やシステムのデジタル化、電子申請導入の検討を積極的に進めていく必要があると認識しております。
ただ、国のほうではデジタル庁が中心となりまして、システムの統一、標準化とか支援、こういうのも検討されているという報道もございますので、これらを見据えながら本町においてもデジタル化のほうの動きを進めてまいりたいと考えております。また、コロナ禍の新しい生活様式の中で、テレワークやリモートワークといった新しい働き方も一般的となってまいっております。
本町では12月の議会にテレワークやリモート会議に対応できる環境整備の補正予算を計上させていただくとともに、自治体のテレワークの環境整備に向けて実施される自治体テレワーク実証実験に参加を申込み、採択を受けるなど新しい働き方への取組も進めているところでございます。
先ほどお答えいただきましたコピー用紙やコピー代が本庁舎だけでも330万円を超えているわけですね。さらに、申請業務がある、例えば青少年センターもありますし、公民館、そして子どもたちのために使用する資料をつくる保育所や幼稚園、また子育て支援センターなどを含めると、これもっと大幅に増えることでしょうね。
試算しないと分からない部分にはなりますけれども、大幅に経費節減できる要素ではないのでしょうか。そして、新しい生活様式を行政にも取り入れるために、リモートワークやリモート会議ができる環境を整えるということは大切なことですが、窓口で申請受付業務の多い部署では、なかなかリモートワークを導入することは難しくなりますね。もともと住民との接触が少ない部署であれば、容易に導入、取り入れることができるかもしれませんが、そうなれば、業務によってさらに職員間での勤務体制にばらつきが生まれかねませんね。
リモートワークを全職員が無理なく取り入れられるようにするためには、まずは住民が役場に来なくても申請ができる、私が先ほど言いましたオンライン申請の導入が必要じゃないかなと考えます。それこそが、住民が手続しやすくて、そして職員の事務処理が行いやすくなる方法ではないのかなと思うんです。
事務処理が行いやすくなれば、業務効率が上がり、行政の働き方改革にもつながります。そうなれば、新たな業務に取り組む時間も生まれてくるわけです。今、岬町行政では担当課のみがその問題や課題に取り組み、ほかの課が関連していることがあったとしても、その関連部署がなかなかその課題を共有することができない状況にあるように私は見受けております。
それはほかでもない、担当業務での事務処理が多過ぎるからなんじゃないかなと認識をしております。しかし、オンライン申請や行政事務のデジタル化を取り入れ、業務効率化をなすことができれば、その問題が解決するのではないでしょうか。
それこそ、デジタル化により機械化できるところはどんどん進めて、人間にしか担えない、また担うべきクリエイティブな、創造していかないといけない仕事の部分というのを増やしていくことが、今よく言われている、多過ぎる担当業務を解消して、さらに、よりクリエイティブなまちづくり業務に当たれる環境をつくれると私は考えます。
そして、業務効率化で生まれた時間を、今ある組織とは別で、関連する部署の職員がチームとなって取り組むことができる体制をつくることができれば、より課題に対して専門性を持った様々な意見を取り入れながら、さらによい解決策が見出されたり、施策の推進につながると思います。
岬町行政が抱える諸問題を部署間での壁のない業務体制により解決していけるような組織づくりをしていくべきだと私は考えますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。
●岬町 廣田まちづくり戦略室理事 の答弁
まず、本町の組織の現状につきましてご説明させていただきます。本町の行政事務につきましては、岬町事務分掌条例において町長の権限に属する事務を分掌させるため、総務部、財政改革部、しあわせ創造部、都市整備部が設けられるとともに、町長直轄の組織として、まちづくり戦略室が設置されております。
また、岬町事務分掌条例の施行について必要な事項を定めることを目的とし、岬町事務分掌条例施行規則が規定され、各係の所管する事務が定められております。なお、岬町事務分掌条例及び施行規則では、町長は特定の重要課題で緊急に処理する必要のあるものを処理させるため、プロジェクトチームを置くことができるとされております。
これにより、現在、新たなみさき公園の再生に向け、みさき公園再生プロジェクトチームが設置され、みさき公園の再生に向けた検討を行うこととしております。それから、二つ目が、様々なデジタル化等により、柔軟な対応ができるような組織づくり、チームづくりというあたりなんですけども、本町での政策の決定につきましては、町長を初め、政策会議メンバーによる政策会議において意思決定され、政策会議により決定された事案につきまして部長会議を経て各課に伝達されます。行政文書やシステムのデジタル化等の取組の一環として、今回、自治体テレワーク推進実証実験に参加するなどにつきましても、この政策会議により意思決定されました。
また、町の重要施策の推進に関しましては、岬町事務分掌条例及び施行規則により、まちづくり戦略室に設置されております政策推進担当において業務を行っております。今般の新型コロナウイルス感染症に伴い発生した新規事業である特別定額給付金事業、それから岬町暮らし応援商品券交付事業などにつきましても、政策推進担当が関わり事業を進めるなど、現状の組織内におきまして柔軟な対応により業務を行っているところでございます。
人事担当におきましても、以前より事務の効率化による働き方改革の推進は取り組むべき課題であると認識しております。今後につきましても、新たな行政課題や緊急的な重要課題に柔軟に対応できるよう、政策会議の場を通じて意思決定を図ってまいりたいと考えております。
それから、厳しい財政状況の中、岬町役場でもデジタル化は一朝一夕で進むとは思えません。ただ、今回、テレワーク実証実験に関しては、パソコンとかの機器の設置に関して、ある程度の補正予算がかかってくるんですが、実際、本当にテレワークをしようと思ったら何千万円とかお金がかかると聞いております。
今回は、そうした大きな費用がかからないということで、テレワーク実証実験をまずをやってみようということで、今回、総務課さんのほうで手を挙げていただいてということでやっております。そのテレワークにしても、いろんな技術的な困難であるとか、個人情報の問題であるとか、適正な人事管理、管理監督問題など、いろんな不安要素はたくさんあるんですけども、まずはやってみようということで、今回、手を挙げて実証実験をやっていくような形にはなっております。
今回は、岬町で初めてのテレワーク、まずはやってみようということで、一応、今回、新たな事業として本町でやっていこうということで手を挙げさせていただきました。
今回もデジタル化に関しては、費用的な問題とかいろいろ問題があるんですけども、この大きなデジタル化の波にいかに町として適応していくのか、いかに岬町の職員の能力をいかんなく発揮していけるようにするのか、そういう問題はこれからの人事担当、それから町全体の課題と考えております。
事務分掌で決まっていること、また政策会議などで上層部が岬町の諸課題に関する方針を決めていることというのが分かりました。
私が提案しているのが、方針を決めることではなくて、その方針に沿って業務を遂行したり、実際に施策を取り決めていく担当部局職員のチームについてなんですね。確かに、みさき公園については重要施策の一つですから、プロジェクトチームをつくっているということも認識をしております。
ですが、岬町にはそのほかにも様々な施策、あるいは課題というのがありますね。特に、全庁的に住民との協働分野だったりとかソフトの仕組みづくりというのが、なかなか、これ追いついていなくて、圧倒的に私は少ないと感じております。
政策推進担当があると言っても、関連する部署との連携なくして政策を進めていけるのでしょうか。その連携をよりスムーズに行えるようにプロジェクトチームとまではいかなくても、個々の政策や課題によって部署の垣根を越えたチームをつくることができれば、よりスムーズに、そしてよりよい方向に向かっていけるのではないかと思っております。
確かに、条例で定められている事務分掌を重視するということも大切ですが、柔軟な対応ができる組織づくりこそ今必要なのではないでしょうか。
より職員が働きやすく、より様々な岬町の課題に意識を高く持てる環境づくりをいま一度お考えいただきたいということを申し上げて、今回の私の一般質問を終わりたいと思います。