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H28年9月岬町議会一般質問/木造化・木質化の促進について

H28年9月岬町議会一般質問/木造化・木質化の促進について

質問の要旨

  • 化石資源使用量を削減することにつながり、地球温暖化防止と持続可能社会の構築に大きく貢献する木造建築。木は再生可能資源であり、林業や水源等の保全・災害防止になることから、現在全国各地で木造化・木質化が見直され推進される中、岬町としても耐震に問題のある役場庁舎をはじめ岬町が保有する建物の木造化・木質化の可能性を、松尾ただしが大阪府泉南郡岬町岬町議会一般質問にて検証します

松尾 匡の質問

木造化・木質化の促進についてということですけれども、今日は2名の議員から庁舎建替えのやりとりをされておりました。

私もそれに近いことでして、それについて、私は少し具体的な案をもって、それについて可能性を検証したいなと、こう思っております。

化石資源使用量を削減することにつながって、地球温暖化防止と持続可能社会の構築に大きく貢献する木造建築、私たちの生活空間に安らぎやぬくもりを与え、人の心と体によい影響を与えます。

木は再生可能資源であり、林業や水源等の保全、災害防止になることから、現在では全国各地で木造化・木質化が見直され推進されております。

国としても、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律を定めているということもあり、全国各地の庁舎や公共施設を初め、大型商業施設なども木質化の動きがあります。

岬町としても、耐震に問題がある役場庁舎を初め、岬町が保有する建物の木造化・木質化の可能性を検証したいと思っております。

とりわけ、本庁喫緊の課題として、この役場庁舎の耐震問題があります。この庁舎は、国の耐震対策事業に関する補助金の対象外ということで、庁舎建替えのための財源確保というのが今日も出てきておりますけれども、難しい状況もあり、建替え、もしくは耐震化についての決定的な案がない状況の中で、この木造化・木質化の推進という一つの新しい視点、方法で考えてみてはいかがかなと考えた次第でございます。

木造化・木質化のメリットは、先ほどもお伝えしたように、持続可能な循環型社会を形成するだけでなく、山林間の健全な保全から林業や漁業まで好影響、好循環をもたらします。

木造化や木質化での庁舎建替えについて考えてみてはいかがでしょうか。また、木造化・木質化の推進によって、国や府、また、その他団体などから補助制度が得られるのではないかなと考えておりますけれども、それもあわせてお考えちょっとお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。

●岬町 古谷総務部長 の答弁

お答えいたします。

我が国では、戦後造林されました人工林が資源として利用可能な時期を迎える一方、木材価格の低迷などの影響によりまして森林の手入れが十分に行われず、国土保全などの森林機能の低下が懸念される状況となっております。

このような状況を踏まえまして、平成22年に、議員のほうからもご紹介いただきましたが、木材の適切な供給及び利用の確保を通じた林業の持続的かつ健全な発展を図り、もって森林の適正な整備及び木材の自給率の向上に寄与することを目的といたします公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が施行されているところでございます。

この法律では、農林水産大臣及び国土交通大臣は公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針を定めなければならないとされておりまして、また、地方公共団体は、その区域の経済的、社会的諸条件に応じ、国の施策に準じて木材の利用の促進に関する施策を策定し、実施するよう努めるとともに、その整備する公共建築物における木材の利用に努めなければならないとされているところでございます。

現在の国の基本方針では、低層の公共建築物について積極的に木造化を促進することや、内装等の木質化を促進することが定められております。

例えば、林野庁では公共建築物等の木造化等の促進に係る課題提案を行う民間団体に対して補助金を交付する事業を実施されていると聞き及んでおります。

また、国土交通省ではサステナブル建築物等先導事業ということで、先導的な設計なり、また、施工技術が導入される大規模な建築物の木造化・木質化を実現する事業計画の提案を公募いたしまして、そのうちすぐれた提案に対して、予算の範囲内において、国が費用の一部を補助するというような事業もされていると聞き及んでおります。

しかしながら、今のところ、岬町の新庁舎建設に当たりまして、木造や、設備の木質化につきまして特に優位な補助制度は把握できてないというのが実情でございます。

松尾 匡の質問

本来の課題である耐火性、耐震性とかもありますし、そういうことをよく検討する必要はあると思うんですけれども、RC構造と同等の防火性能を持った木造建築というのがもう既に可能になっておりまして、私も調べましたところ、木造化・木質化を実行された地方自治体のよい一つの例がありまして、それを今回紹介したいなと思います。

それは、東日本大震災で被災した自治体調査ということで、復興第1号となります。また、注目したいのが、防災拠点の機能も兼ね備えた庁舎ということで、福島県伊達郡国見町というところがあります。

昨年、2015年に竣工された地下1階と地上3階建ての庁舎は、「町民が集う未来にむけた森の庁舎」というのをコンセプトとして、主要構造部の柱とはりに地場産木材を多用した木質ハイブリッド鋼材内蔵型集成材というものを用いて、耐火建築物でありながら、木の加工に囲まれた空間を実現しております。

この取り組みは、木を生かす建築推進協議会から木造建築技術先導事業ということで認められております。

私が写真を見たイメージですけれども、建物全体が洗練された、おしゃれでモダンな感じを受けたんですけれども、随所にぬくもりや落ちつきが感じられて、仕事の効率も上がるのかなという感じを受けました。

紹介したものは3階建てということですけれども、建替え場所の検討を含む広さや階数、費用対効果など、さまざまな角度から本庁舎の最適な耐震庁舎を検討することになるとこれから思いますけれども、本町の庁舎であれば、例えば、これ、例えばですけれども、木造平屋、もしくは2階建てまでに抑えたつくりであれば、耐震もしくは免震という観点からも図りやすく、費用もかなり抑えられるのと違うかなと考えております。

また、地域性に関する組成について、ある1級建築士から聞いた話なんですけれども、シロアリとかゴキブリ等に、木造建築に有害な害虫は腎臓を持たないために塩と組成が悪く、古くから海沿いの建築物は木造建築が組成がよいということを聞いております。

もちろん、防虫や防腐対策、木造ですね、には、別に必ず必要になると思うんですけれども、海に近い岬町にあっては、さびの心配のある鉄筋コンクリートの建築よりも木造建築のほうが組成がよいとのことをおっしゃっておりました。

その他の例で、先日の議員研修で訪問いたしました宮崎県綾町の中学校があるんですけれども、これも木造化・木質化の校舎でありまして、校舎に入った瞬間、木のにおいがふわっと漂いまして、空間に優しさやぬくもりを感じ、空気がとてもよくて、とても気持ちがよかったのを鮮明に覚えております。

また、木は調湿性能を持っておりますので、木質化した教室ではインフルエンザの罹患率が低かったり、集中力が持続しやすいというメリットもあるようです。

このように数字ではあらわせない多くのメリットが、木造化・木質化にはあります。

財源のことで今日はいろいろ厳しい議論が出ておりまして、現在、厳しい状況かなと思うんですけれども、「心かよう温もりのまち“みさき”」をキャッチフレーズにしている本町ですけれども、私はこの木造化・木質化にて本町のマークのような形をした、中心の丸ですけれども、あそこに中庭みたいな感じにして、そんな庁舎だったら本町にぴったりのイメージでいいかなと思っておりながら、これは一つの案として取り入れていただけることを願いまして、この質問は終えたいと思います。

 

 

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