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H28年9月岬町議会一般質問/岬町の観光と産業の振興について提案

H28年9月岬町議会一般質問/岬町の観光と産業の振興について提案

質問の要旨

  • 岬町の観光振興について、以前に幾度か一般質問で取り上げましたが、以前〜現状から今後の具体的な動きなどをお聞きし、検証します
  • また衰退の一途を辿る岬町において、産業に活気を取り戻さなければいけません。行政は産業をどう振興させようとしているのかをお聞きし、岬町の活性化策について、大阪府泉南郡岬町議会で松尾ただしが検証します

松尾 匡の質問

岬町の観光と産業の振興についてですけれども、このことについての最近のトレンドを日本全体で見ると、今日も町長おっしゃっておりましたけれども、東京オリンピック開催に向けた外国人観光客の受け入れに対応すべく、特に関東エリアではハードもソフトも急ピッチで整備が進められていることは皆さんご存じかと思います。

また、日本への人の流れの動向についてもテレビや新聞でもよく報道されていますし、実際に都市部を歩くだけで感じられるぐらい外国人観光客が年々急増していることもよくご存じかと思われます。

私たちが親しく利用する関西国際空港、いわゆる関空ですけれども、外国人入国者数が今年の2月の法務省の出入国管理統計、これは速報値によるんですけれども、50万2,699人ということで、50万人を突破したということです。

同月の東京の成田国際空港、外国人入国者数が49万8,640人だったということで、関空開港以来初めて成田空港を抜き最多となったそうで、その後も順調に増加傾向にあるとさえ、ある関空関係者から聞いております。

今でこそ、我がまちでもようやくちらっと外国人を見かけるようになりましたけれども、ここから、ほんの30分北上するだけの関空エリアで今そんな大々盛況になっているということが信じられないほど実感できないのが我がまちなんですけれども、外国人観光客、いわゆるインバウンドと言われる方をターゲットにするのは時期尚早だという声もあると思うんですけれども、ここは日々、しかも、すぐそこに、我がまちの見込み客となり得る方たちが日本一押し寄せているのです。

これを引き寄せることで、まちの商工業にとっては、まちがいい意味ですけれども、ひっくり返るだけの影響力があり、見逃す手はないですし、本当に何とかしないと手おくれになってしまうのではないかなと私は何度か一般質問で述べてきましたが、とても心配しております。

我がまちは、観光を引き金にして商工業を発展させるスキームを官民で話し合いつくるべきであると考えておりまして、私はそれに沿ってロビー活動を現在続けておりますけれども、乱開発を免れて、大阪府内で唯一残された自然海岸を初めとする各種自然環境を初め、歴史や文化なども奥深い我がまちだからこそ、必ず観光産業のまちになる、つくれると信じております。

その観光について、以前に幾度か質問で取り上げましたけれども、以前から現状をまずはお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

それでは、松尾議員のご質問の観光振興における現状について、お答えさせていただきます。

平成27年度の岬町への来訪客数ですが、約128万人でございまして、前年度の116万人に比べまして、12万人、約1.1倍の伸びとなってございます。その前年度としましては、107万人でございました。

本町といたしましても、150万人を目標に掲げまして、さらに交流人口の拡大に向けまして観光振興の取り組みを行ってまいりたいと考えてございます。

具体的な動きになるんですけれども、まず、観光客の受け入れ環境整備ということでございまして、昨年度、ハード面になるんですが、みなとオアシスみさきの基本施設となります深日港観光案内所「さんぽるた」がオープンいたしました。現在は、岬町の観光協会と連携しまして、「さんぽるた」が円滑にその機能が発揮できるように運営を現在も行っているところでございます。

また、次にソフト面でございますが、周遊マップの作成をいたしております。例を挙げますと、和歌山大学とのコラボで作成しましたまち歩きマップであるとか、観光ボランティア協会の協力のもとに作成させていただきましたまち歩きマップの5種類、それと、みなとオアシスサイクリングコースマップ、それとGPSを活用しましたスマホ用まち歩きマップなどとなってございまして、現在、「さんぽるた」におきましては各種イベントにはそのマップ等をお配りしているところでございます。

そのほか、レンタサイクルやWi-Fi、サイクルラックの設置などを行ってきたところでございます。

なお、今年度におきましては、大阪府の恒常的なまちの魅力向上支援補助金を活用しまして、淡輪地区周辺の環境整備をしてまいる予定としてございます。

具体的には、みさき公園駅と淡輪駅に観光案内看板を設置しまして、神社、仏閣などの施設案内看板、それと飯盛山の登山口までの道筋に誘導標識などを設置する予定としてございます。

次に、関連のイベントの実施状況でございますけれども、本町の観光関連イベントといたしましては、深日港の活性化としまして、みなとオアシスみさきに位置づけたイベントを実施してございまして、例えば、深日港での深日港活性化フェスティバル、深日の漁港での深日漁港ふれあいフェスタ、また、大阪マリンフェスティバルによる夏のイベント、全日本ビーチバレー女子選手権大会、ビーチバレー大阪オープン大会、また、全日本ビーチバレー女子選手権大会の関連大会として大阪市都島区の桜宮ビーチで実施してございますビーチバレー女子ドリームマッチ、その他にもいきいきパークでのサイクルレースなど交流人口の拡大に向けてイベントを実施してございます。

今後も、積極的に持続させてまいる考えでございます。また、岬町の魅力発信PRの取り組みということでございますが、広域連携といたしまして実施しております泉州観光プロモーション協議会や、華やいで大阪・南泉州観光キャンペーン推進協議会はこれまで以上に連携を強化しまして、インバウンドや国内の旅行客に泉州の魅力を伝え、多くの方に来訪いただけるよう取り組んでまいるものでございます。

また、シティプロモーションといたしましては、マスコットキャラクターを活用した地域物産イベントに積極的に出向くとともに、町長自ら南海の難波駅やみさき公園の改札前などでパンフレットを配布するなど、積極的に活動しているところでございます。

これらにつきましても、今後、積極的に持続してまいる考えでございます。今年度から2カ年計画でございますが、岬町における観光地域づくり及び岬町観光協会の組織づくりを含む観光資源の見せ方をテーマにしまして、ハルカス大学及び阪南大学と岬町観光協会との連携による事業が始まったところでございます。

また、地方創生関連では、和歌山市と連携した観光振興の検討が始まりつつあります。今後もまちづくり戦略室地方創生企画担当とも連携しながら積極的な観光振興の取り組みを進め、交流人口の拡大に図ってまいりたいと考えてございます。

松尾 匡の質問

観光の動きというのをお聞きしました。

2点聞きたいんですけれども、来訪者数、先ほど答弁の中におっしゃっておりました来訪者数が前年度と比べて1.1倍伸びたよということでありますけれども、例えばみさき公園の来園者数が伸びたんだよとか、特定のところが伸びたのか、そうではないのか。

また、そうなった原因はどこにあるのか、わかる範囲で結構ですけれどもお答えいただきたいのと、あと、先ほど「さんぽるた」のことを挙げられました。

今年3月にオープンしたばかりですけれども、現状はいかがでしょうか。施設の利用状況、例えば、来訪者数が何人であったとか、レンタサイクル利用者数や、観光案内件数など、「さんぽるた」の行っている事業のそれぞれの利用状況の内訳がわかりましたらお答えいただきたいなと思います。

よろしくお願いします。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

お答えさせていただきます。

まず、来訪者数の増加についてでございますが、具体的な要因というのはなかなか難しいところがございまして、これだということでお答えすることはなかなか難しい状況でございますが、施設全体的に入場者数が増加してございます。

特に増加した施設としましては、せんなん里海公園で約7万4,000人、淡輪海水浴場で約1万9,000人、みさき公園で1万2,000人、その他施設としまして全体で1万5,000人の増加となってございます。

次に、「さんぽるた」のオープン後の状況でございますが、直近の7月、8月の2カ月、6月ですとフェスティバル等ございまして、かなり入場者数ございますので、一般的なというところで、直近で7月、8月の月平均させていただきますと、来場者数は603人になってございます。

その内訳ですけれども、一般来場者数が311名、みさき公園の割引チケット販売で50名、キャラクターグッズの販売で15名、レンタサイクルで6名となってございます。

あと、窓口での問い合わせでございますが、月平均、大体29名ほどございまして、そのうち、先ほどご質問のありました観光地の関係ではお二人でございます。

ほかに、フェリーに関する問い合わせが13名と、みさき公園に関する件が3名、あとは残り11名はその他というような状況となってございます。

松尾 匡の質問

来訪者数というか、「さんぽるた」に来ていただいた方が603名いらっしゃるということで、これはいいことかなと思うんですけれども、やっぱり主となる観光案内件数というのがまだまだ少ないようで、「さんぽるた」の位置づけは、やっぱり観光案内所なので、できればここを増やすにはどうしていくべきかなというのを考えていきたいところかなと、こう思っております。

ハード設備というか、「さんぽるた」を含めたところの位置づけの理解はできました。次に、ソフト面なんですけれども、お聞きする中では、観光マップは充実してきたのかなと、こういうふうに思っております。

また、総合案内看板や施設案内板を各地に設置するということですので、受け入れについて、最低限のことができ始めていく予定であるということで、とてもうれしく思います。

総合案内看板や施設案内板は今後の予定ということなので、ここでぜひ周囲の環境とか、そして、岬町のイメージに溶け込むようによく考えられたデザインの看板にぜひともしていっていただきたいなと、こういうことを強く要望しておきたいと思います。

さて、先ほど報告いただきました中で、阪南大学との連携事業というのがあったと思うんですけれども、阪南大学とはどういった連携をとって、どんな事業を行うのか、そして、結果どうなるのか、具体的なことを含めて詳しくお聞きできればなと思います。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

お答えさせていただきます。

阪南大学と岬町観光協会との連携による事業の具体でございますが、8月20日には阪南大学の教授と学生16名が岬町に来られまして、観光ボランティアの皆さんと、また、この9月5日、6日の2日間でフィールドワークとしまして町内の観光資源を実際に見ていただいたところでございます。

来年、学生の皆さんから見た観光資源の見せ方などの提案書をまとめていただく予定としてございます。

また、阪南大学のほかにも、和歌山大学の皆さんとも連携しまして、最近ではまちづくり戦略室を中心にしまして、マッセOSAKAと連携しまして、マッセOSAKAの政策形成実践としまして受講生の皆さんに本町に来てもらいまして、常設のビーチバレー競技場の潮騒ビバレーを初め、多くの施設を見ていただき、意見交換をしていただくといったようなフィールドワークを実践していただいたものでございます。

松尾 匡の質問

住民にとっては、日常あって当たり前ということが町外の人にとってはおもしろくて価値のあることとなることはよくあります。

なので、観光が成り立つのかなというところでありますけれども、岬町をよく知らない学生などにまちを見ていただき、感じたことを伝えていただく意見交換は、観光資源をつくっていく上でとても有効だと思っております。

しかし、肝心なことということで、そういった学生との意見交換を誰とするのかだと思うんですけれども、観光協会はもちろんするべきだと思うんですけれども、それに加えて町民、とりわけ、岬町で商売されていたり、商売を始めようと考えられている方々ともそういう場を持つべきではないかなと少し思うんです。

まち全体で受け入れ態勢を考えていこうとするならば、そういった貴重な意見交換の場というのは実際にサービスを提供したり、または、しようと考えている方々に聞いていただくことによってニーズをつかんだり、また、そこから新たなサービスを企画したりする可能性が広まります。

特に、現在の観光はどれだけ感動を与えられるかによってリピート率が大きく変わると言われております。それは、見ることよりも、食べることや体験することにより感動を与えることが圧倒的に多いと言われております。

そのおもてなしができるのは、やはり、住民であり、事業者などのサービス提供者だと思っています。

できるならば、そういった方々と学生とのワークショップなども考えていただければ、例えば新しい特産品やサービスなどを開発、提供することがふえて、町内から人気の店が誕生するかもしれません。

そうすると、産業振興にもつながります。さて、観光の切り口から産業振興につながることをお話ししましたけれども、産業というくくりで見ると、今後、何もしなければ衰退の道は続きます。

行政として、産業をどう振興させようとしているのか、活性化策についてお聞きしたいと思います。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

それでは、産業振興策についてお答えさせていただきます。

今後の産業振興の拠点となるよう、道の駅みさきを第二阪和国道の全線開通と同時に開業を目指して整備を進めているところでございます。

道の駅みさきでは、地域の特産品や鮮魚などの販売を行う予定としてございまして、農業生産者や漁業者の意欲向上に努めてまいるところでございます。

そして、もう一つの道の駅であります岬町の海釣り公園とっとパークや、深日港観光案内所さんぽるたとも連携するなど、それぞれの特色を生かしまして集客力や回遊性を高めることができるよう、これまで以上取り組んでまいりたいと考えてございます。

また、商工会の地域活性化、産業活性化に取り組みの支援を継続し、観光客が周遊することで町中に消費が生まれるよう、経済効果を上げましてまちの活性化につなげるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。

一方、多奈川地区多目的公園の企業誘致におきましては、進出事業者が決定したこと、そして、事業者から地元雇用を優先する意向があると聞き及んでございます。

今後、これまでの取り組みを引き続き継続し、積極的な産業振興の取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。

松尾 匡の質問

先ほど道の駅が出てきましたけれども、道の駅をつくっただけでは産業振興につながるということはなかなか難しいと思います。

主軸になるのは、やはりハードではなくソフト面だと思います。

道の駅を使って訪れる方々にどんなことを提供、振る舞うのか、そして、道の駅みさきにしかできない、ここでしか受けることのできない価値あるサービスを生み出せるか。先ほども言いましたけれども、どれだけ来た人を感動させ、ほかの人に言いふらしたいねん、また、来たいねんと思ってもらえるのか、そこはまさに観光と産業が連携した取り組みが今後かぎとなるのではないかなと思います。

それには、もちろん、道の駅の指定管理事業者との役割は大きいですけれども、その地域でしかできないことを生むためには、やはり地域のプロである住民、事業者とどれだけ密に連携事業ができるかによるのではないかなと思っております。

行政はそこのつなぎ手となっていただくことが本当は理想だと思っておりますけれども、まちの今の現状からいくと、まずはビジネスプレーヤーを育てて増やす努力をしていただきたいなと思っております。

観光という漢字がありますけれども、「光を観る」と書きますけれども、その光の意味は、その地のすぐれたもの、特色という意味が一説にはあるのはご存じの方多いと思いますけれども、それは地域の自然や歴史、文化などがそれに当たると言われております。

しかし、現在での観光の光という感じの意味合いは少し違っているようで、光の意味はその地の人、地域の人、その意味で観光を解釈すれば、地域で光り輝いている人を見に行くという意味になります。

それは何か。

地域のビジネスプレーヤーであり、また、そのプレーヤーが提供するコンテンツであると、これは全国の観光ビジネスを研究し、地域に飛び込み、実際に入ってサポートされている第一人者がおられまして、その方から聞いております。

それは、まさしく感動を与えるような食べるや体験することなどをつくり、提供する人、また、そのものではないかなと思っております。

観光案内所ができて、道の駅もできます、ハードは十分です。次は、一番大事なのは中身、ソフトをつくること。

本来なら、ソフトありきでハードをつくるというのが理想なんですけれども、ソフトがしっかりしていないハードはやがて廃れて無駄なものとなってしまいます。そうならないためにも、住民に寄り添い、プレーヤーを育てて増やして、つなぐ施策を考えてそこに全力投入していただきたいなと、これは強く願いまして、私の一般質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

 

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