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H28年6月岬町議会一般質問/空き家バンク登録の進捗状況や空き家問題の対策を提案

H28年6月岬町議会一般質問/空き家バンク登録の進捗状況や空き家問題の対策を提案

平成28年6月議会 1日目 一般質問

質問の要旨

  • 大阪府下でワースト1位である岬町の空き家率。空き家バンクや空き家問題の対策について、前回の一般質問から3ヶ月経った今の進捗状況をお聞きし、行う対策等を、大阪府泉南郡岬町議会で松尾ただしが検証します。

松尾 匡の質問

空き家バンク登録の進捗状況や空き家問題の対策についてです。

空き家バンク登録の進捗状況について、これは前回の私の3月議会一般質問でも質問しましたし、それ以前も幾度となく質問しており、しつこいなと思われていることと私も自分で思っております。

しかし、私がこの問題についてしつこく質問する理由としては、空き家率が大阪府下ワースト1位なのに、空き家バンク登録物件が1件もないという恥ずかしい状況であることもありますし、何よりも代々引き継がれてきた大切な家屋とか土地といった財産が利用されないことによって急速に朽ちたり、荒れたり、近い将来、近隣住民にとって深刻な倒壊のおそれのある危険家屋となったり、周辺地域において治安の低下を引き起こしてしまうことが残念で仕方がないからです。

また、そういった課題である空き家等を事業等で有効活用することでおもしろい町おこしや地域活性による仕事、雇用を創出する可能性がとても大きいし、必ずできると私は信じているからです。

ということで、いつものようにですけれども、まずは空き家バンク登録の進捗状況や空き家問題の対策について、前回の一般質問から3カ月が経過した今の状況をお聞きしたいと思います。お願いします。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

それでは、現在の空き家バンクの状況についてお答えさせていただきます。

空き家バンク制度につきましては、平成26年度に制度化して、これまで岬だより、ホームページへの掲載など制度の周知を図ってきたところでございます。

しかしながら、ご存じのように、問い合わせ件数も少ない状況となり、現在、空き家の登録がない状況となってございます。

そこで、本年5月、直接、空き家、空き地の所有者の方に空き家バンク制度のお知らせ、約9,000枚を役場税務課の協力を得まして固定資産税の納税通知書に同封させていただき、周知したところでございます。

その結果、空き家、空き地の所有者から空き家バンク制度の問い合わせが増加し、現在のところ、空き家の所有者から21件、空き地の所有者から12件、合計33件の問い合わせがまいってございます。

問い合わせのありました空き家の所有者21件の内訳でございますが、町内在住の所有者が4件、町外在住の所有者が10件、匿名での問い合わせなどにより不明が7件となってございます。

次に、空き地の所有者からの問い合わせでございますが、12件の内訳でございますが、町内在住の所有者はございません。町外在住の所有者が10件。不明の所有者が2件となってございます。

このように、問い合わせいただいた方には、空き家バンク制度への登録及び交渉、契約の流れなどをご説明させていただき、物件登録へのご協力をお願いしているところでございます。

この状況もございまして、現在、登録状況でございますが、空き家に登録の申し込みが2件ございまして、今、事務手続中となってございます。

なお、空き家バンク制度の登録事業者、不動産業者への聞き取りによりますと、空き家、空き地の所有者から仲介契約の問い合わせが2件あり、そのうち登録事業者と所有者の間で仲介契約に向けて2件が交渉中とのことでございます。

すみません、訂正させていただきます。空き家、空き地の所有者から仲介契約の問い合わせが7件ございまして、そのうち登録事業者と所有者の間で仲介契約に向けて2件が交渉中であるというところでございます。

失礼しました。また、空き家利用希望者の登録でございますが、今のところ4件でございまして、全てが町外の方となってございます。

●岬町 西企画政策監 の答弁

私のほうから、空き家対策につきましてご答弁させていただきたいと思います。

現在、地方創生の担当として空き家対策の取り組みを進めております。

地方創生を進める上で空き家対策は重要な課題であり、岬町まち・ひと・しごと創生総合戦略の中で重要業績評価指標の1つとして空き家率の改善を掲げ、空き家対策の取り組みを積極的に進めることといたしております。

3月議会の最終日に追加補正予算として国の加速化交付金を活用した空き家まち育て事業の予算を上程させていただき、地域めぐりワークショップやリノベーションシンポジウムの開催、空き家のデータベース化を行う空き家実態調査を行うべく現在、準備作業を進めているところでございます。

また、空き家のリノベーションによるまちづくりのノウハウを獲得するため、大阪府住宅まちづくり部が事務局となり、民間事業者や学識経験者が参画する大阪の住まい活性化フォーラム、リノベーションまちづくり部会に参加するとともに、5月20日には岬町役場でリノベーションまちづくり部会を開催いただき、部会の皆様と一緒に深日地区のまち歩きを実施いたしてまいりました。

まち歩きでは、空き家所有者の方にご協力をいただき、実際に空き家となった建物の内部を部会員の方に見学をいただき、リノベーションの可能性や方策、今後のまちの再生に向けた意見交換を行ってまいりました。

また、今後、本町が実施を計画しておりますリノベーション講演会やまち歩きイベントへの協力もお願いしたところでございます。

空き家の利活用に向け、今後もさまざまな取り組みを進めてまいりたいと考えております。

松尾 匡の質問

今まで空き家バンクについての一般質問を続けてきたことが、ようやく実を結び、初めて行政からアクションを起こしていただけたことに、まずは進歩かなと思ってます。

その成果として、空き家の持ち主から20件以上問い合わせとか、2件のバンク登録手続中ということですので、やはり、そもそも空き家バンク制度をまだ知らない方がとても多いということと、普及に向けた何らかのアクションを起こせばまだまだ少ないながらも変化が起こるということがわかっただけでも大変進歩かなと思っています。

今後も引き続き、機会があるごとに空き家バンク制度のお知らせや、次のステップとして、手続方法などももっとわかりやすく説明した手引きなどを同封することなどをしていっていただきたいと思います。

また、先程西企画政策監からも答えていただきましたように、空き家対策について私がしつこく一般質問してきた中で、難しいとされてきた空き家の現地実態調査と空き家の所有者の洗い出し、そして、それらをデータベース化すること、地方創生の一環としていよいよ動き出したことに評価したいと思います。

早急に、かつ緻密に実態調査をしていただき、使えるデータベースを構築していただきたいなと強く願っております。

さて、空き家のデータベース化に向けて動き始めるわけですけれども、それが完成したとして、今後、具体的に次のステップの空き家対策としてどのように活用していく予定なのか、地方創生の企画政策部と都市整備部にそれぞれお聞きしたいなと思っております。お願いします。

●岬町 西企画政策監 の答弁

地方創生担当といたしまして、空き家対策事業の今後の取り組みについて答弁をさせていただきます。

今年度実施いたします空き家実態調査の結果につきましては、データベース化を行いまして、地図情報化することで関係各課と情報の共有を行いましてまちづくりの基礎データとして各分野の今後の施策の展開に活用いただくことを考えております。

また、空き家データにつきましては、職員で適宜更新ができるよう、システムの構築を行う予定でございます。

リノベーション講演会やまち歩きにつきましては、これらの取り組みを通じて空き家活用の担い手となりますプレーヤーを発掘、育成したいと考えており、大阪府のリノベーションまちづくり部会とも連携して空き家活用の取り組みにつなげてまいりたいと考えてございます。

空き家を減らすためには情報を的確に把握し、個々の事情や状態に即した対策をとることが重要であり、今後も状況に応じたさまざまな取り組みを進め、空き家率の改善を図り、地域の活性化につなげてまいりたいと考えております。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

お答えさせていただきます。

空き家の実態調査では、所有者アンケートにより利活用の意向などが取りまとめられまして、空き家の状態が明らかになってくることから、この調査結果を踏まえまして今後売買、または賃貸借に適している空き家などの所有者の方に直接空き家バンク制度の仕組みを説明し、ご理解いただき、登録いただけるように努めてまいりたいと考えてございます。

松尾 匡の質問

この岬町にとって空き家対策事業というのは、最もふさわしい地方創生プランの1つではないかなと私は思ってます。

これが進むことで、本当にいろんな可能性が出てくると思います。

現に、東京では地方移住、とりわけ今、大阪府と連携しまして、東京から大阪への移住促進に力を注いでおりまして、岬町でも既に大阪府から自治体ブースなどで岬町に出店の要請があったかもしれませんけれども、ご存じの職員も多いかもしれませんが、近々では、大阪移住促進フェアというものが東京有楽町で盛大に開催される予定だったりと、東京と大阪で考えが合致して、今後もその動きが加速化されると予想されています。

空き家率ワースト1位は、言いかえれば逆に、そういった移住者の受け入れ率ナンバーワンとなるチャンスであり、その波に乗りおくれないためにも、早急な空き家のデータベース化が急務であると思います。

また、名実ともに居住者受け入れ率ナンバーワンとなるためには、住まいである空き家を用意するということは大前提にあったとして、私はもう1つ、移住していただくためには理由が必要かなと考えています。

それは、仕事とか、やはり働き口というのがきちんと提示、提供できるかどうかだと思っております。

そのあたり、できれば町長にお聞きできればと思うんですけれども、直接この空き家対策とは関係ないかもしれませんけれども、移住者受け入れのための空き家のデータベース化と同時に仕事や働き口の創出とか、また町内事業者との連携等、町長としてどうお考えか、もしお考えがあればで結構ですけれども、お聞きしたいと思いますけれども、いかがですか。

●岬町 田代町長 の答弁

まさか、答弁をせよということが回って来ると思ってなくて何も頭の中、考えてませんけども、空き家対策については松尾議員から都度、一般質問等でご指摘をいただいております。これは全国的に高齢化が進む中、また、新しいベッドタウンができて、例えば隣の和歌山ふじと台なんかも、実際、どこの方が住んでいただくのか、近隣の和歌山市内、また県外の方もいろいろありますけども、実際、岬町においても望海坂については岬町の方が望海坂へ行かれる。

そういった二世帯、三世帯の方がどうしても、やっぱり核家族化を求めてそういう分離世帯が進んでいるのは間違いないかなと思っております。

そして、そういう関係でどうしても高齢者が住み続けて、結果的には空き家になってしまう。

それと、空き家を幾ら行政がその対策を講じても、なかなか答えが出てこないのは先程担当のほうから説明のあったとおり、いろいろ登録はしていただくけども、なかなか岬町で住もうかという方が少ないということで苦慮してるんですけども。

今回、私どもは、先程仕事と、地方創生でもまち・ひと・しごと、これはこれで地方創生の事業を推進するわけですけれども、土取り跡地も議会のほうにご報告はさせていただいておりますけども、既に2社の業者が来年3月末には事業を展開したいということの事業主さんからのお話も直接聞かせていただいております。

その中で、私もお願いしているのは、できるだけ地元雇用を考えていただきたいということも申し上げております。

そういった中で、やはり職住接近のまちづくりということが一番今は大事であって、じゃあ、職住接近のまちづくりをどうやっていくのだと、雇用と子育てを真剣に考えていく必要があるかなと、このように思っております。

その中で、先程、もとへ戻るようですけども、空き家が多くなってきて、比率が大阪でワーストワンだということで、非常に残念だということを議員さんおっしゃっていますけども、これはどこの市町村も今、悩みを抱えているわけなんですね。じゃあ、それの特効薬はあるかといったら、なかなか難しい。

ましてや大阪府の一番最南端のこの岬町は、やはり交通の利便性、そういったものはいろいろよくなってきていると言えども、なかなか交通機関がうまくいってない。

また、職住接近というのがなかなかなくて、遠くへ朝早く起きて、夜遅く帰ってくる。この現状を見ますと、なかなか若い人が岬町で住もうかというのは、よほどの好条件がなければ住んでいただけないということで、先程の、いわば福祉バスについても子どもさんの無料化、障がい者の無料化を掲げ、また、医療の問題とか、妊婦健診、また育児休暇、そういったものも全て近隣の市町村に負けないぐらいの対策を講じてるわけですけれども、なかなか若い世代に岬町に定住してもらえないというのは、じゃあ、私の政策が悪いのかわかりませんけども、私はじっくり腰を据えてこの問題は考えていく必要がある。

つまり、老朽化した家をいろいろリフォームして住んでもらうというのもいいんですが、やはり、今、恐れられているのは耐震化なんですよね。

耐震が本当にできて家が倒壊しないのかという問題もありますので、いろんな要素が重なり合ってなかなか前に進まない。

議員さんにとっては、本当に歯がゆい思いをされているかなとは思いますけども、これはやっぱり議会と住民の皆さん、また地権者という方がありますので、そういったとことの連携をしっかりと組む。

そして、企業さんにしっかりと雇用の問題をお願いしていく。そういういろんな角度から、岬町に定住する魅力というものをやっぱり考える必要があるかなと、このように思っております。今後、ぜひ議員さんのいろいろな貴重なご意見も聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

松尾 匡の質問

町長に今後の岬町の発展に向けてのお答えをいただきまして、ありがとうございます。私が空き家対策とずっと言い続けてますと、やはり、いろんな方からご相談なり、ご提案なりというのをいただくことになってまして、実は、若干、やっぱり雰囲気が変わってきたなと感じてるところがすごくあるんですね。

岬町で何か事業したいという方の相談というのが結構多くなってきまして、なので、ぜひともそういうところもサポートしていっていただきたいなというか、整備していっていただきたいなという強い思いがありまして、続けて質問させていただいていることであります。

今後は、岬町の企業や法人とか、各種団体としっかりと連携して移住者を受け入れる働き先を多く提供したりとか、また、岬町でしかできない独立した自由な生き方の提示などを行っていくこと。

先程も申し上げましたように、例えば、今では淡輪周辺を中心に増えてきつつあります、古民家をリノベーションしてカフェ等の事業にうまく有効活用してまちづくりに貢献している事例など、自分のしたいことを仕事にするんだということができる選択肢も今では増えてきております。

先程も言いましたけども、東京に住む家と仕事がセットで提示ができるということ、また、岬町はほかと違って大阪市内まで1時間以内でアクセス可能なんだよと。

そういうことでいくと、東京から来られる方というのは結構敷居が低いような気がするんですね。

すごくいい環境だけれども、ちょっと行けば都市部、心斎橋とかに行けるわけですね。そういうのをもっと売りにしていけば価値が出てくるのと違うかなと、こう思っております。

そういったことができるということを空き家の対策と同時に、町内事業者などとうまく連携しながら東京や都市部へ発信を進めていくことで、岬町に魅力や価値が自然とついていくのではないかなと思っております。

ぜひ、空き家率ワースト1位のまちから移住者受け入れ率ナンバーワンのまちとなるように、みんなでまち全体をリノベーションできていければと思っております。以上で、私の一般質問を終了します。ありがとうございました。

 

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