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H27年12月岬町議会一般質問/空き家の対策について提案

H27年12月岬町議会一般質問/空き家の対策について提案

平成27年12月議会 1日目 一般質問

質問の要旨

  • 空き家バンクの登録進状況について
  • 把握している空き家の情報について
  • 空き家の有効活用について、大阪府泉南郡岬町議会で松尾ただしが提案します。

松尾 匡の質問

空き家の対策についてですけれども、ことしの6月議会にも、私、同じ質問をさせていただきました、空き家の対策についてです。

前回も我々の身近で深刻な問題の一つである空き家の急増についての現状をお伝えしましたが、私たち住民の視点でもまちを歩いていると、特に旧村地域ではあちこちに空き家が見つかる状況です。

人の手が入らなければ家屋の老化はすぐに始まり、そのまま放置しておくと倒壊の恐れも心配しなくてはならなくなります。

まちの課題をビジネスモデルにて解決するミッションで活動しております私が代表していますNPO法人Re-Liveですけれども、空き家対策についてのプランを実行されているさまざまな市町村の方々と話をさせていいただいておりまして、その事例を参考にさせていただきながら岬町にとってのよい空き家の有効活用プランを企画しまして、まさに実行しようとしています。

そんな中、私が考える行政の空き家対策についての考え方やあり方、町が目指すべきところなどをお伝えさせていただきながら、行政の今後の空き家対策の進展に期待を込めまして一般質問をしたいと思います。

まずは、6月議会の一般質問でもお聞きしました空き家バンクの登録の進捗状況について、現在までの登録件数と私の6月議会一般質問以降の動きについてお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

 

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

お答えさせていただきます。

まず、空き家バンクの登録進捗状況でございますが、現在、空き家の登録はなく、空き家を探しておられる方が3件登録してございます。

その3件は、町外の方となってございます。このように、なかなか進展が出ていない状況でございますが、今後、多くの方に登録いただけますように、現在、ホームページに掲載しているだけではなく、広報紙への掲載、隣接する市町の宅地建物事業者への空き家バンク制度の事業者登録のあっせん、ひいては空き家をお持ちの方へ直接お知らせするなど検討をしてまいりたいと考えてございます。

松尾 匡の質問

登録が0件ということで、非常に残念ではあります。

半年前から進展がないという状況ですけれども、私、先日、深日地区で行われた手づくり市を見学するために、その周辺、車でしか通ったことがなかったので、一度歩いてみようと思いまして歩きました。

入り組んだ細い路地などを歩きながら感じたことが幾つかありました。一つは、細くて車も通れないような入り組んだ路地が迷路のようでとてもおもしろく新鮮だったんです。

その反対に、明らかに人が住まれていないと思われる家屋、空き家ですね、それが本当に想像以上に多かったことです。

深日地区も想像以上に空き家の急増を実際に感じ、まだまだ利用価値のありそうな家屋が多く残っているだけに、早急な対策の必要性を強く感じました。

私は実際にまちを歩いて現状をある程度把握できましたが、この現状を果たして行政の皆さんはどれだけ把握されているのか、実際に空き家がどこにどの程度存在しているのかなどの詳細な情報を持っておられるのか。

持っておられるとしたら、どれだけ持っているのか。

また、今後そういった情報収集をしていく必要性を実際に感じておられるか、そのあたりをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

お答えさせていただきます。

把握しています空き家の情報につきましては、現在、空き家の実態調査などを行っておりませんので、申しわけございませんが、把握できている状況ではございません。

ただ、自治区長さんであるとか、近隣の方などから老朽空き家といいますか、管理が行き届いていない家屋等については当方のほうに情報提供いただきまして、現在のところ20件ほどそういう家屋があるという状況でございます。

やはり、議員おっしゃるように、空き家の対策を実施する上では、状況を的確に把握し、どう対応していくかということが求められると思いますので、自治区長さんのご協力を得て空き家の情報の把握に今後努めてまいりたいと考えてございます。

松尾 匡の質問

ぜひとも、ここをできるだけ早く空き家情報の把握に努めていただきたいと思ってます。

先日の深日地区町歩きで地元の方とお話できる機会がありました。

話をしていると、この路地に面する家屋がほとんど空き家ということもおっしゃってました。

また、人たちがこの地区の空き家を使ってもらえるような施策を町を挙げて考えてほしいなと、そうしたら少しずつ地域の流れも変わっていくのになとおっしゃってました。

それには、私たち地元住民の意識も変えていかないといけないかもということもおっしゃってました。

空き家となっている理由は本当にさまざまだと思うんです。相続がうまくいっていない空き家、家屋以外にも家が売れないからそのままにしているという物件も少なくないとのことで、売る以外の方法として誰かに貸す方法もありますが、そもそも立地条件や家屋の状態の悪さ等で借りてほしいが貸すことができないなどあると思います。

しかし、人の管理がないと廃屋となってしまうので、空気の入れかえや掃除、修繕等、大体がオーナーやその親戚が定期的にやってきて、それらの作業をしている場合が多いと思います。

空き家問題のよい解決方法が見つからないので、そのまま空き家となっている状況を考えると、住民の方々も何とかしたいんだけれどもどうにもならないし、どうしていいかわからないという方も本当に多いと思うんです。町の最も大きな課題の一つやと思います。

そんな中で、住民の方もおっしゃっていたような、行政としてこれら空き家問題に対する有効な解決策を考えておられるでしょうか。

考えているとしたら、どのようなものかお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。

●岬町 木下都市整備部長 の答弁

空き家の有効活用につきましては、現在行われております空き家バンク制度でございまして、この制度につきましては、岬町の人口減少に歯どめをかけるべく移住、定住を目的として発足した状況となってございまして、議員ご指摘のように、このように空き家も増えてきている中でどのように行政として対策が打っていけるのかというのは、今後、その施策についても十分検討していきまして、今後、現在ある空き家バンク制度の充実を図ってまいりたいと考えてございます。

松尾 匡の質問

先ほど言われましたけれども、住宅としての活用を想定した空き家バンクとのことですけれども、岬町へ移住、定住してもらうには今のままでは本当に来たいと思う理由が少し薄いと思うんです。

その前に、もっと魅力あるまちに我々や行政が行動する必要を感じてます。特に、空き家などの中古物件があるとなおさらだと思うんです。

また、一方で、国や地方自治体はスクラップ・アンド・ビルドで新しい家屋をどんどん建てなさいと、各種優遇措置にて新築を進めています。

しかし、この方向性もどうなのかと思うんですけれども、かつて大規模に全国のあちこちで行われた、もしくは今でも開発が進められているところでもあるニュータウン開発ですけれども、全国のニュータウンの現状を見ると、高齢化と人口減少、そして生活の多様化とハイスピードな情報化がどんどん進んだ結果、多くが閑散として空き家がふえゴーストタウンとなっているところも少なくありません。

山を切り開き、各種貴重な資源を大量に使い、そして不透明な利権が複雑に絡み合ったニュータウン開発自体が既に旧態依然の使い捨て商品の代表であり、それどころか、新築物件に人が住み始めた分だけ、どこかで空き家がふえるという現状。

空き家問題にふたをして先送りにするという悪循環がまちづくりであることが証明されつつあります。

こういった現状、日本の国や地方自治体の施策に矛盾を感じずにはいられません。

欧米ではどうですかね。先人たちが住んできた家屋を何代にも引き継ぎ、修繕しながら、そこに住む人が自分たちの生活に合うよう、少しずつ楽しみながら修正していきます。

それが当たり前の文化であり、それを国民が誇りに思うからこそ住民一人ひとりがまちに誇りを持っていて、その意識が自分たちの住むまちを美しくし、結果、全世界から人が押し寄せる観光産業が各地方でも昔から自然と根づいている、これ、すばらしい循環型社会だと思うんです。

それが、今、日本人でもそういった住み方、生き方を望む人が都市部でふえつつあり、そのような人は地方へと目を向けています。

岬町はチャンスだと思うんです。変われる可能性も大分あると思うんです。

空き家となったいきさつはさまざまですが、岬町の各地域は家が建ち始めて村ができ、人が集まり町となったわけで、そこには長いストーリーがあります。

私が先ほど言った迷路のようなおもしろい路地というのも、そのストーリーのうちだと思うんです。

何も壊して新たに箱物を建てなくてもこれからはいいと思うんです。課題である、今ある空き家を逆に資源と捉えて、それらを都市部で住む方々のニーズをつかみ、心を動かすような、そういったストーリーをつくり、おもしろいコンテンツや中身をつくるだけで、きっと都市部からの人の流れはできると確信しています。

というのも、その裏づけとして、私、NPO法人Re-Liveの代表として現在行っている休耕地の有効活用を通じたまちの活性化と仕事雇用の創出をかけ合わせた事業であるリモコン農園というのがあるんですけれども、今、各都市部と我々岬町との間に人の流れをようやくつくることができるようになりました。

リモコン農園もただ耕作放棄地ですね、それだけ。ITと農業と福祉をかけ合わせた新しい仕組みに乗せて使わせていただいているだけです。

それは、都市部で住む方々のニーズをリモコン農園で少なからず捉えられたからだと私は思っています。

しかし、リモコン農園だけではなく、セットで使わせていただいている岬町の美しい海や山やストーリーなどの資源があったからこそ、私は流れをつくることができたのではないかと思っています。

地元の方がおっしゃっていたような、まさしく町外から、もしくはUターンで若い人たちが岬町の空き家を使いたいと思ってもらえるようなコンテンツを我々住民が考えて、そうして行政が施策で強力に後押ししながらつくっていく必要性を強く感じています。

そのためには、やはり空き家の把握が必要だし、それと同時に住民への意識の呼びかけが必要です。

ここで、まずは空き家の家主としても本当にどうしていいかわからない方も多いため、例えばですけれども、空き家の管理や有効活用方法について、行政が岬町に各種ある各集会所でセミナーを開催するだけでも、住民と空き家のことで接点を持つことができて、空き家の把握につながりますし、さらに、その先の有効活用によって活性する、生まれ変わる町への一歩を踏めるような気がします。

我々NPO法人Re-Liveでも、町の課題である空き家の管理を事業としてさせていただいていますし、そういった空き家を管理する事業者も近年では増えております。

我々はそういった有償で管理する事業者とは違いまして、管理させていただく空き家がありましたら、そこを収益事業の場として使用させていただくかわりに、しっかりと家屋を管理させていただきながら、そこで発生した収益の一部を家主さんへ還元させていただくようなプランを用意させていただいております。そのことで、空き家を廃屋となることから守り、さらにそれを有効活用させていただくことで、岬町の古きよき景観を守りながら、町ににぎわいと仕事や雇用を創出する循環型社会をつくろうと私も頑張っています。

そういった、我々のような社会資源を行政がうまく使っていただき、空き家バンクの問い合わせが来るのを待つ姿勢ではなく、空き家についての、例えば先ほど言ったセミナーを開催するなど、問題解決に向けての一歩を行政から踏み出していってもらえないかどうか、ここを町長にお答えいただきたいなと思っております。

●岬町 田代町長 の答弁

いろいろと松尾議員さんの空き家対策の考え方について聞かせていただきました。

まさしく、そのとおりかなと思っております。ただ、ここで言えるのは、やはり相手地権者ということを一つ一番先に置いて考えていかないといけないのかなと、このように思ってます。

例えば、先ほど話の中にありましたように、お互いの地権者同士の贈与の問題、いろんな絡みがあって空き家にしている場合もあるかのように聞いておりますし、また、若い息子、娘さんが外へ出られて帰ってこられる。

そんな中で、ご両親、また家族の荷物の倉庫がわりにしているということも区長からも聞いております。

これをなかなか整理するには、かなりの時間を要します。

我々としてはまだまだやらなきゃいけない身近な問題、子育て環境の問題、高齢者の問題も抱えております。

これを職員で1軒1軒空き家を探して回れるかというと非常に難しい、厳しい問題があるかなと思っております。

ただ、おっしゃるとおり、これからのまちづくりについて空き家対策をやっていくには人をふやしていくということについて考えてみると、今、松尾議員のおっしゃるとおり、空き家を徹底して調査して、空き家があいてたら、そこへ人を呼び込むということなんですけれども、ありがたいことに岬町は年間にしたら100万人を超す観光客が今いる。

それは、やはりすばらしい岬町を求めて来られるんじゃないかなと思っております。

そんな中で、空き家対策をすることによってさらに人が増えてくるとは思いますけれども、その反面、この空き家対策にかかる地権者との調整は、やはりそういった資格を持った方がなかったらなかなかうまくいかない問題があるのじゃないかなと思っております。

先ほど担当部長から、今後の検討課題として空き家調査をしてまいるというような、私もきちんとこれについては税の納付書にきちっと文書を入れて空き家を提供してくれる、そういう方はいてないかどうか、税の納付書に入れたら一番わかるわけですね。

それをやるように指示はしております。そんな中で、まず、その回答がどれぐらい来るかということを見てやらないと、人の財産ですから、この財産を人に頼んで、それをやみくもに調査するということも、また問題が出てきてもいけないかなと思っておりますので、今おっしゃるとおり、今後の空き家対策、また、空き家の実態調査については慎重に考えてまいりたいと、このように思っております。

松尾 匡の質問

町長からお答えいただきましたけれども、私は別にこちらから実態調査をしなさいということではなくて、例えば、先ほど言ったような、セミナーを開催するということでもすごく効果があると思うんです。

それは、そんなに人数は要りませんし、定期的に、多分行うことで住民の方々の意識が少しずつ変わっていくことも期待できると思うんです。

だから、何も別に人員配置して、どこに空き家があるかというのをしなくても、多分大丈夫で。そのセミナーを開くことによって、住民との接点があって、多分住民の方から行政に対してここがどうだとか、うちもそうなんだとかというようなところで情報は持ってきていただけるのかなと、こう私は思っています。

なので、そういう方法もあるということもちょっと考えていただきまして、今後、そういう空き家対策の一歩を踏み出した行動を期待して、この件について質問を終わりたいと思います。

 

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