大阪府泉南郡岬町淡輪4733
072-494-0063
mail@t-matsuo.net

H27年9月岬町議会一般質問/特別なニーズ・支援を必要とする子どもに対する支援の提案

H27年9月岬町議会一般質問/特別なニーズ・支援を必要とする子どもに対する支援の提案

平成27年9月議会 1日目 一般質問

質問の要旨

  • 乳幼児検診について
  • 特別な支援が必要な子どもに対しての各年代別のサポートについて 、大阪府泉南郡岬町議会で松尾ただしが提案します。

松尾 匡の質問

特別なニーズ、支援を必要とする子どもに対する支援についてということで、今日も何度か出てきましたけれども、人口のピークであった岬町、昭和53年から減少が続き、1万6,500人ほどとなり、高齢化率は約35%になった岬町。今後の町の発展に若い世代の人口増加が望まれる中、残念ながら岬町には関西電力火力発電所があったおかげか、そのせいか、発電所の火が消えてからというもの、ほかに特化した産業や特産物など、仕事や雇用を発生させられるものがないために若い世代が町外へ流出し、まちの衰退に歯止めがきかない状態です。

出生率を見れば、まだそんなに昔ではない15年前の183人と比べれば、2年前の2013年時点では72人と、60%以上も減少し、遠い未来はおろか、近い将来、岬町の存続が危ぶまれることがわかる、とても深刻な状況となっております。

そんな中、我が岬町に少ないながらも生まれてくる子どもたちは本当に貴重な宝ではないでしょうか。

そんな貴重な子どもたちを町として生まれてから成人になるまで、どのように見守り、どれだけのフォローがあり、どんな支援をしているのかを質問したいと思います。

まずは、乳幼児健診について、いつの時期に行っているのか。

また、それぞれの受診率を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

●岬町  古橋しあわせ創造部長 の答弁

乳幼児健診は、発育、発達や栄養状態の確認、また予防接種の時期や種類の確認などについてチェックする重要な健診でございます。

本町におきましては、母子保健法に基づきまして、保健センターにおいて4カ月児健診、1歳6カ月児健診、3歳6カ月児健診、また生後1カ月の乳児一般健診、10カ月の乳児後期健診は医療機関への委託により実施をいたしております。

4カ月児健診が6回実施をしまして95.5%の受診率、1歳6カ月児健診は4回を実施して100%、3歳6カ月児健診は4回実施をして97.3%となっております。

また、乳児一般健診は62名、乳児後期健診は67名が受診をされております。

松尾 匡の質問

その中で、特に何らかの障がいや課題を持ち、支援が必要と思われる子どもの率がわかるようでしたら教えていただきたいのと、そのような子どもに対する、その後のフォローというのはどのようにしているのかをお聞きしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

●岬町  古橋しあわせ創造部長 の答弁

乳幼児健診等において、何らかのフォローが必要と思われるフォローの出現率でございますが、4カ月児健診で41.2%、1歳6カ月児健診61.6%、3歳6カ月児健診が42.2%となってございます。

ただし、このフォロー率につきましては、保護者のちょっとした不安や心配事がある方も含んでございますので高い数値となっておりますので、ご理解をいただきたいと思います。

なお、フォローが必要と思われる子どもさんにつきましては、子どもの状態に応じて適宜必要な支援につながっていくよう、助言等を行っているところでございます。

松尾 匡の質問

その何らかの障がいや課題を持って、支援が必要と思われる子どもを受け入れる施設やプログラムなど、岬町にはどのような社会資源があるのかをお聞きしたいのと、また、それぞれの社会資源の目的や機能、実際に行われているプログラムなども具体的に教えていただければと思います。よろしくお願いします。

●岬町  古橋しあわせ創造部長 の答弁

子どもの発達、発育を確認する乳幼児健診では、まず、スクリーニング基準を用いて標準的な発育、発達に達していないときは、先ほども申し上げましたとおり、個々の状況に応じた支援を行っております。

例えば、体重の伸びが悪いときには、保健センターで実施している乳幼児相談での体重測定とか、保健師あるいは栄養士による助言指導を。また、1歳6カ月で意味のある言葉が出てこないときは発達相談による発達検査、また小児科医の診察所見で経過観察が必要な場合は、小児科医による発達クリニックといったように、保護者の心配事や育てにくさや、また、しんどさも受けとめながら適切な相談や検査を進めるなど、フォローに努めているところでございます。

しあわせ創造部におけます支援が必要と思われます子どもへの支援といたしましては、まず、子どもは遊びが大変大事でございますので、集団で遊びを通じて発達を支援することを目的として、保育士、保健師及び発達相談員による幼児教室プチトマトを月1回、健康ふれあいセンターで実施をしております。

平成26年度では、参加児童数が24人、親子で延べ298人が参加をされております。

プチトマトでは、毎回、保育士が遊びのプログラムを作成し、その遊びの中で親の子どもへのかかわり方など、個々の助言を行っております。

また、親との連絡ノートにより、家庭での状況や心配事なども共有しながら、コメント等により助言等を行っているところでございます。

次に、プチトマトに参加している親子とか、発達検査や相談から、例えばプチトマトのように月1回ではなく、頻度を多くしたほうがよいなど、早期に療育を始めるほうが適切であると思われる子どもさんにはパンダ教室をご案内いたしております。

パンダ教室は定員が10名でございまして、こぐま園で週1回実施をしており、小集団での親子遊びの経験、保護者に対して日常生活上の指導や助言を行い、早期療育に重点を置いた教室で、平成26年度のパンダ教室の参加児童数は10名、親子で延べ370人の利用があったところでございます。

また、精神や運動発達面で発達相談や医師の意見などにより、障がいの疑いがあるときなどには、心身の障がいの程度に応じて通園して日常生活に必要な指導、訓練を行い、保護者と協力をして心身の育成を助長するための施設であるこぐま園をご案内しております。

こぐま園では毎日通園することにより理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの機能訓練を受けながら日常生活の中で療育的な保育を行っております。

また、定期的に発達検査や相談も行っており、平成26年度では2名の子どもさん、延べ335人の利用があったところでございます。

このように、子どもの状況に応じた支援を案内しておりますが、あくまでも保護者の意思を尊重して、あるときは何度も話し合いを持ちながら進めているということをご理解いただきたいと思います。

また、保育所においては、障がい児保育として障がい児を受け入れており、子どもの状況に応じて保育士を加配することにより、集団で保育をしているところでございます。

松尾 匡の質問

それでは、幼稚園や小学校、中学校といったところ、それ以降も含めてですけれども、そういうところで何らかの障がいや課題を持って特別な支援が必要と思われる子どもに対して、何らかのサポートがあるかどうか。

あれば、具体的にどのようにサポートをしているのか、教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

●岬町  廣田教育次長 の答弁

教育委員会では、就学前から小・中学校への途切れない支援の継続を目指し、しあわせ創造部と連携しながら、岬町支援教育担当者会を年6回開催しています。

子育て支援センターや保健センター、保育所、幼稚園、小・中学校、スクールカウンセラーなどが参加し、本町の支援教育のあり方の検討や情報共有、研修などを行っています。

また、個別の教育支援計画である、すこやかファイルの意義や作成についても共通理解を図り、適切な活用に努めています。すこやかファイルとは、年齢ごとにその子の課題を整理し、その時点での課題に対してどのようなサポートを受けて、どのように成長してきたのかを丁寧に書きとめ、次へのサポートにつなげるためのものです。

就学前から小・中学校、高等学校、大学などへと、その子のライフステージにあわせて引き継ぐことのできる全国的にも通用するファイルとなります。また、このファイルの作成時期については、保護者の了解が得られた後、保健師や保育士、教員などが保護者とともに策定していくものですので、個々の状況により、その作成時期は異なります。

このファイルの活用によるより早い時期からのサポートにつながるよう、しあわせ創造部との連携を一層推進してまいります。

支援を必要とする子どもたちが幼稚園や保育所などから小学校へ就学する際、また、小学校から中学校へ就学する際には、保護者の方の同意のもと、より専門性を有しているメンバーで構成するリーディングチームが学校・園・保育所を訪問して、支援の方向や内容についての話し合いを重ねています。

その後の具体的な就学先の方向性につきましては、より専門性の高いドクターや進学校の教員なども出席する泉南郡合同の就学支援委員会において、リーディングチームの意見をもとにしながらその子にとってよりよい就学先が提案されます。

小・中学校に現在、在席している子どもたちへの支援につきましては、主に四つの支援方策があります。一つ目の方策は、泉南郡合同の就学支援委員会を経て提案される各小・中学校の支援学級です。

短期的、長期的な目標を持った支援を行うことができます。

二つ目の支援は、通級指導教室です。週に二、三時間程度通級します。三つ目の支援は、支援教育介助員の配置です。小・中学校に加え、公立幼稚園でも配置されています。

四つ目の支援は、各学校・園での支援教育の中心となる教員を支援教育コーディネーターとして位置づけることです。

コーディネーターは学校・園全体の支援教育体制を把握するとともに、子どもの支援状況から短期的・長期的な目標を作成するなど、子どものよりよい成長を促すための取り組みを行っています。

松尾 匡の質問

各年代別で何らかの障がいや課題を持ち、特別な支援が必要と思われる子どもに対して、現在、町として行っているサポートをお答えいただきましたが、その成果としてはいかがでしょうか、お答えいただけますか。お願いします。

●岬町  古橋しあわせ創造部長 の答弁

しあわせ創造部では、プチトマト、パンダ教室、また、こぐま園という、こういう施設、また教室型の支援を行っております。

これらの支援についての成果についてお答えをさせていただきます。支援を挙げますと個々の状況によって非常に違いますので、一例を挙げて答えさせていただきたいと思います。

まず、プチトマトでは、参加されている子どもの表情がかたかったのがいい表情を見せるようになったり、また、パンダ教室では徐々に自分らしさが出せるようになってきたケース。

また、こぐま園では、言葉が出にくかった子どもが意味のある言葉が素直に出るようになったというケースもございます。

特に、こぐま園では、入所式、修了式を毎年行っており、1年間の保育や子どもの発達の様子などが紹介されるとともに、保育発表で実際の子どもの様子を見学したときにはその成長を肌で感じ、また、保護者の感想を聞かせていただいたときに、親と子ども、両方の成長を感じる瞬間でございまして、これこそが成果であるなと考えているところでございます。

松尾 匡の質問

それでは、最後に、何らかの障がいや課題を持ち、特別な支援が必要と思われる子どもに対してお答えいただいた各種支援ですけれども、近隣の市町村のそれらの対応と比べて、岬町の対応としてはいかがでしょうか。

また、どういう評価をされていますでしょうか。よろしくお願いします。

●岬町  古橋しあわせ創造部長 の答弁

就学前の乳幼児期の支援は、主にしあわせ創造部が管轄をしておりまして、就学後は教育委員会に引き継ぐことになりますが、他市町村ともかかわりを持つ発達相談員の話によれば、乳幼児期の支援の状況等も把握できる、先ほど教育委員会からご紹介がありましたすこやかファイルによりまして、情報共有がきっちりされているということ。

そして、保健、福祉と教育の連携がうまく機能しており、必要なときはいつでも話し合いの場が持てるなど、切れ目ない支援につながっていると評価をされているところでございます。

今後も、この連携体制を維持強化しながら、一層の支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。

松尾 匡の質問

何らかの障がいや課題を持ち、特別な支援が必要と思われる子どもに対する支援について、岬町は高い評価を受けているということ、これはすばらしいことだと思います。

特に、生まれてくる子どもの数が今後も減り続けることが容易に推測できるまちだからこそ、そのような子どもが漏れることなくすこやかに育ち、一人でも多く社会で活躍できるようにする必要性は大きいと思います。

また、まちの人口増加施策としても、他市区町村で同じように何らかの障がいや課題を持った子どもと、子育てに悩む保護者に向けて連携されたきめ細かな質のよい対応により子どもをすこやかに成長させられるまちとして特化することにより、未来が見える、そして、安心して子育てができるまちとして広がれば、町外から我がまちへ移り住むようになることも十分見込め、若い世代の人口が増え、まちの活性化が期待できます。

今後の課題として、何らかの障がいや課題を持った子どもが適切な支援を受け始める時期が遅いか早いかで、後の成長度合いにより差が出ると言われています。

それには、保護者の理解が大きくかかわります。

町として、子どもの障がいを受容できない保護者ができるだけ早期に受容し、理解してもらえるような環境をつくることが子どもの成長にとって、ひいては、町の成長にとって必要なことなので、ぜひ、そのような環境づくりに今後も力を入れていただきたいとお願いしまして、特別なニーズ、支援を必要とする子どもに対する支援についての質問を終わりたいと思います。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です