大阪府泉南郡岬町淡輪4733
072-494-0063
mail@t-matsuo.net

H27年9月岬町議会一般質問/“消滅可能性都市”岬町における今後の“生き残り”策を提案

H27年9月岬町議会一般質問/“消滅可能性都市”岬町における今後の“生き残り”策を提案

平成27年9月議会 1日目 一般質問

質問の要旨

  • 目立った産業がないために人口減少から衰退の一途を辿っている岬町。今後このままでは「町がなくなってしまう」可能性がある危機的な状況をどのように立て直すのか?今後10年先に向けての岬町の活性化策とはどんなか?大阪府泉南郡岬町議会で松尾ただしが提案します。

松尾 匡の質問

消滅可能性都市岬町における今後の生き残り策についてですけれども、目立った産業がないために、人口減少から衰退の一途をたどっている岬町。

今後、このままでは町がなくなってしまう可能性がある危機的な状況をどのように立て直すのでしょうか。

今後、10年先に向けての岬町の活性化策があれば聞かせていただきながら、そのコアとなる産業というのはどれだと考え町は力を入れていくのか、また、どのように力を入れていくのかも含めてお聞かせいただきたいと思います。

よろしくお願いします。

●岬町  西企画政策監 の答弁

これまでの地方創生の答弁と重複する点がございますがご容赦いただきたいと思います。

昨年5月に、日本創生会議が、20歳から39歳までの若年女性が2010年から2040年までに半減すると推計される自治体を消滅可能性都市として公表したことから、国においても地方の人口減少が大きな政策課題として認識され、昨年11月にまち・ひと・しごと創生法が制定され、全国で地方創生に向けた取り組みが進められているところでございます。

岬町におきましても、国の平成26年度補正予算を活用し、結婚・子育て支援事業、地域の魅力を活用した移住促進事業、地域資源を活用した観光振興事業、持続可能な地域づくり事業を先行的に取り組むとともに、住民を初め産業界、関係行政機関、教育機関、金融機関、労働団体、メディア、いわゆる産官学勤労言の参画をいただき、岬町まち・ひと・しごと創生総合戦略推進会議を立ち上げ、2020年(平成32年)を目標とする総合戦略の策定作業を現在進めているところでございます。

総合戦略につきましては、12月を目標として原案の作成を行い、パブリックコメントの実施を経て、来年3月に策定する予定といたしております。原案の作成に当たりましては改めて議会にもご説明をさせていただき、ご意見を伺う予定でございます。

先行事業での取り組みを初め、総合戦略に位置づけたさまざまな取り組みを進めることで現状の急激な人口減少に歯どめをかけ、交流人口を増やし、地域に賑わいを取り戻してまいりたいと考えております。

松尾 匡の質問

この一般質問でも、何度か、地域資源とは一体何なのかというのが出てきたと思います。

私もここで聞こうと思ったんですけれども、副町長初め、いろんな方がおっしゃっていただいたので、これは省かせていただきたいと思います。

一体、資源は、今、何であるのかとか、そういうところをしっかりと考えていって地方創生に取り組んでいくということは必要だと思うんですけれども、私は生まれも育ちも岬町で、一度、東京や大阪、京都に移り住み、地方を実際に経験してきた私から見た岬町の地域資源とは何かを伝えてみるとすれば、岬町は海や山に囲まれた自然豊かなまちで、内陸には田畑も残っており、二つの前方後円墳があることから、昔から自然災害による被害も少ないまちであるのかなと、こう思っております。

また、大阪市内から1時間ほど、関空からも30分程度で来れるアクセスのよさがあります。

ほんの少しだけさくっと述べましたけれども、これほどまでに地域資源に恵まれたまちは全国的に見てもほかないと思います。

大手企業の保養所も幾つかあったことから、風光明媚な地域として昔から地域が持っている観光産業のまちとしてのポテンシャルはかなり高いと思っています。

町政60周年を迎える今年まで、ほかの地方がうらやむ資源がありながら、どうしてこれらを生かした観光産業が発展してこなかったのでしょうか。関西電力など、大手企業を中心とした雇用や関連する仕事で潤っていたまちが成り立っていたために、独自で産業や特産品の開発、海や山、古墳といった地域資源を生かした観光ビジネスなどに力を入れてこなかった背景があります。

生活水準が向上し、物があふれて、価値が物から事に移り変わろうとしていることにより、地方では生き残りをかけた観光産業が盛んになり脚光を浴びている今、岬町はかなり遅れをとっていると思っています。

地域資源が豊富である岬町こそ、観光産業に力を入れるべきだと思っています。今からでも遅くないはずです。

今こそ、町は観光産業に特化して力を入れて、どんな観光のまちにしていくのかビジョンを明確にして、それに向けて、観光ビジネスで仕事をしようとするプレーヤーを発掘して、町は彼らの手助けとなるよう環境を整備し、強力に後押しするべきではないでしょうか。

それが今後の岬町の生きる道であり、10年後、20年後、次世代の子どもたちに引き継げる、誇れる岬町をつくることにつながるように思います。何も地域資源は特別なものだけではありません。

町の課題も資源になりますし、観光産業に取り入れることができるということです。

前回の私の一般質問でも申し上げましたけれども、課題とは何か、資源とは何か。

私は、それは急増する耕作放棄地だったり、空き家だったりすると思うんです。簡単ではありますけれども、今回、2点、私としてプランを提案させていただければと思います。

まず1点目ですけれども、そういった点在する町の課題である空き家と休耕地を管理整備して、休耕地を体験農園に、空き家をドミトリーとして有効活用するまちに特化して、関空から近いアクセスのよさを生かして増加するインバウンドの宿泊を提供し、日本の旧家で泊まりながら岬町の自然の中で日本の漁業や農業、林業などの一次産業や文化を体験してもらうことで、休耕地や空き家が、インバウンドと地域住民との交流の場としても機能しながら、旅行客とともに栄えていくまちとして、格安で泊まりながら地域住民と交流し、住民が考えたプログラムでさまざまな体験を提供することで産業化していくというプランです。

二つ目に、「村上海賊の娘」に出てくる淡輪の海賊、眞鍋家を再現して、漁船を使って昔の海賊船をつくって、それを使って漁業体験や海賊体験などの体験コンテンツでまちを活性化するというものです。

「村上海賊の娘」で全国的にも淡輪という地名が有名になっている今、マスコミ等にも取り上げられやすいコンテンツなので、例えば、眞鍋海賊が使っていたもりを再現して漁を体験した後、海賊船上で岬町が誇る取れたての海の幸を堪能してもらうという、それだけでもとても喜ばれると思います。

私自身も、NPO法人で貸し農園や体験農園などで都市部の人たちに岬町に来ていただけるようなプログラムを実施していますけれども、中でも海の幸は特に喜ばれています。

海賊体験後は、前日の空き家を有効活用したゲストハウスなどで宿泊していただき、翌日には休耕地を有効活用した農業体験、特に、古墳のあるまちとして昔ながらの農法が体験できるとなれば、日本の原点の生活を体験できるまちとしてアピールすることができるのではないでしょうか。

このように、一つ一つの資源では広がりを持てませんけれども、それらを結べば大きな面となり、そうなると、住民からもそれらに関連する事業を行いやすくなり、まちとして大きな観光産業を形成できるように思います。

観光は21世紀最大の産業だとも言われております。村上海賊の娘で全国的に知られることとなった淡輪の地名、そしてインバウンドの増加など、この上ないありがたい条件が今重なって岬町に訪れてきています。

これらの絶好の機会を逃さずに、もともとある海、田畑、古墳などを結びつけて、おもしろくて魅力ある観光プランをつくるべきだと思っています。

そのために、町が率先して方向性を示し、プレーヤーとなる各種団体と住民と連携して、プレーヤーが仕事をつくり出しやすいように環境整備を押し進めていただきたいと思います。

例えば、前回の私の一般質問、今回もありましたけれども、空き家バンク制度の見直しがあります。

機能していない本町の空き家バンク、住民が利用しやすいように空き家バンク制度を使って家を買いたい人や借りたい人、貸したい人や売りたい人など、双方の利用者目線を用い、住民のニーズを理解して利用者がどうしたら増えるかをもっと考え直す必要があるのかなと思っています。

観光産業の育成や発展という視点で観光産業で利用が予想される資源などの環境整備にぜひ町は力を入れていただき、まちに新しい仕事の創設を手助けし、住民が、よしやってやろうと前向きに観光ビジネスへチャレンジできるまちに持っていってほしいと思っています。

最後に、観光産業についての町長のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

●岬町  田代町長  の答弁

松尾議員の、今後10年先に向けた岬町の活性化策についてお答えをさせていただきます。

先ほど来、松尾議員のいろいろな考え方をお聞きさせていただいております。例えば道の駅の必要性があるのかないのか。

私は、この道の駅については、議会の皆さんも、また、道の駅検討委員会、そういったところに意見を求めて最終的に道の駅をつくることが通過道路にまずならない、そして、岬町に多くのお客さんを呼び込む、そして、現26号の沿道にかかわる商売人のやはり地場産業の活性化も図っていくというのが当時の、また、いろいろとその中身については多くありますけども、大体そういった状況の中で道の駅の建設を踏み切った次第でございます。

議員もご承知のとおり、岬町は「豊かな自然心かよう温もりのまち“みさき”」をスローガンとして平成23年に岬町第4次総合計画を策定しております。

そんな中で、この計画は平成32年まで10年間の計画を、期限を決めておるわけですけども、既に5年目が来ようとしております。時代の流れに沿った計画の基本構想の見直しも必要かな、このように思っております。

そんな中で、私どもは、その総合計画、また基本計画、実施計画、そういったものに基づいて日夜職員ともども一生懸命まちの活性化のために取り組んでおるのが現状でございます。

ただ、先ほどから各議員のご質問の中にいろいろ出てきております人口問題、少子化対策問題が出てきております。たしかに、本格的な人口減少と少子化が進んでいることは間違いありません。

先ほど、過去のお話もございました。景気のいいときもありましたけど、なぜここまで衰退したのか、各議員そういうように思われますけども、私はまた違う角度で見ております。

都心部としての町並みを思うのか、それとも、都心部から離れたこの小さなまちとしての姿はどんなのかといったら、私はよそのまちにない、先ほどおっしゃっていた環境のいいすばらしいまちで生活をする。

また、働くについても1時間もすれば難波まで行けるわけですから、そんないい環境に岬町はあるということは自慢できるのではないかなと、このように思っております。

そんな中で、現在、消滅可能性都市というということが最近、国のほうで法律化されて、国のほうから副町長を迎えて今後5年間の事業を2年間前倒しでやっていただくぐらいの気で頑張っていただくために来ていただいたのですが、そういった意味で、特に20代から30歳代の女性の方が少ないということがあって消滅可能性都市であって、町がなくなるのではなくて、そういう女性の方が少ない。

そうすると、やはり少子化が続くという現象が出てくるのじゃないかということで、我々としては若い世代のお子さんたちが住み続けて、そして、子どもさんをたくさん生んでいただいて、これからの少子化対策を進めていく。

当面は、学校のことも出ておりましたけども、3校ある学校を統合したらいいじゃないかと、小・中一貫性にしたらいいじゃないかといろんなご意見も頂戴いたしております。

私は4カ町村が合併したこの歴史の中に、地域地域にすばらしい歴史、観光がいっぱいあると思います。それを生かすためには、やはりこの3校を残すべきだと。孝子小学校も現在はいろいろ子どもたちに文化を学んでもらう、また、ふるさとのよさを知ってもらうということで歴史館としての位置づけで、孝子の元小学校を存続させているような状況であります。

ですから、そういった中では、3校を残すことによって、地域が活性化するということが一番大事であろうと、このように思っております。

それで、私は町長就任以来、やはり町のこういうことが一番大事であろうということで、それはなぜかと言いますと、職住接近のまちづくりというのがこういう小さな村にとっては一番身近に感じる問題でありますので、そういった意味では多目的公園のほうに職員ともどもトップセールスしながら、企業の張りつけに専念をいたしました。

現在、太陽光発電所2社、そして地元産業であります青木松風庵さんが既に工場建設して雇用を生んでおります。

そういった意味で、その中にまた新たな多目的公園として、先ほど担当の西から説明いたしましたとおり、年間でかなりの町外のお客さんが自転車ロードレースとか、ソフトボール、野球、そういったもので訪れるお客さんが年間、100万人近い、超えるかもわかりませんけど、そういった集客力を持っておりますので、先ほど悲観的なご意見ございましたけれども、私はそれほど岬町は多くの方が訪れていただいていると思っております。

また、先ほど観光ということ、これから観光で生き残るしかないじゃないかということは、私もそう思っております。

そんな中で、私が道の駅、また、みなとオアシス、さらには深日港航路の再生、これを掲げております。

道と海と、そして大阪湾をつなぐことによって、私はこれからの岬町が中心になっていくと、このように思っております。

そうなると、やはり深日港の復活をして、お互いの淡路島と岬町との玄関口をしっかり手をつないでいけば、必ず観光で来るお客さんは岬町に訪れていただいて、そして淡路、四国、そして神戸といった南回りでお客さんを変えていただくことができるのじゃないかなと。

その方法の一つの土台になるのが岬町観光協会でございます。これを立ち上げるまでには以前ご承知のとおり、淡輪観光協会がございまして、なかなか一本化することが難しかった。

そんな中で、今回、多くの方々のご意見を頂戴した中で、淡輪協会の役員さんにもご協力を得て、岬町観光協会としてひとり立ちできるところまで来た。

これからいよいよ本格的に、中身をどうするのか、これからのPRをどうするのか。先ほどおっしゃったインターネットの問題、また、岬町のそういった漁港点対策、そして、空き家バンクの問題、こういったこともお互いにリンクしながら、そして、それをしっかりとお互いに官民協働でやっていけば、私は今後の5年先、10年先は必ず岬町の未来は明るいものがあると、そう信じております。

しかし、そのためには、やはり議会の皆さん方の協力、また住民の皆さん方の協力、先ほど、公園の問題でいろいろ草を引く、高齢化して草を引くことが大変だなという声もございました。

確かに、歴史を担っていくには高齢者が多くなってきて、なかなか語り部はありますけども、担い手が少ないということで、いかに文化を継承するかという難しい問題があります。

しかし、これは今後、子育て環境をしっかりとやっていけば、岬町にもこれから若い世代のお子さんが住んでいただくということになろうかと思います。

その一つが、今後、公営住宅の建てかえについて、今までは高齢者、または、そういった住宅困窮者の方ということで限られていたんですけども、今後は若い世代のお子さんを育てる方々の入居も考えおりますので、今後、岬町にもそういった若い世代のお子さんが住んでいただけるものと期待をしているところでございます。

そういった中で、いろいろ早口で申し上げましたけども、将来的には、私は集客都市を目指してまいりたいと、小さなまちですけども、そういう意味では松尾議員のおっしゃる、いろんな事業化をしていただいて、今後、やはり岬町は大きく外へ向いて発信できるようなまちづくりをしてまいりたいと。

ただ、現在、ホームページもおっしゃるとおり、私も見ておりますけども、まだ専門がやっているわけじゃなしに、岬町の職員が手づくりで頑張っている姿も一つご理解を賜りたいと、このように思っております。

今後、そういった問題点があれば、一つ一つ、また職員に言っていただいて改善策を考えていきたいと、このように思っております。

これから先、10年後の将来というのは、時代が大きく移り変わっておりますので、3年、5年先がまだわからないような状況でございますので、今後、財政状況、また、そういった観光、そういったものも投資的経費、そういうものを含めて一生懸命、これからの10年先が展望できるよう頑張ってまいりたいと、このように思っております。

松尾 匡の質問

岬町、やはり人口が増えてほしいですけれども、岬町に何かないと、本当になかなか岬町で住むとかというのにまだまだ敷居が高いような気がしています。

そのあたり、本当に、先ほども言いましたけれども観光産業がとっつきやすい産業であるし、どこの市区町村を見ても観光産業に力を入れてまして、市でぽんとお金を出したりとか、これで生きていくんだという、強い決意のもとで観光産業に力を入れている市区町村が多く見受けられています。

その中で、岬町としても観光産業を発展させるべきで、それが新たな仕事の創出とか流入人口だけでなく、町に思っても見ないさまざまなよい波及効果が期待できると思うんです。

今後、10年先、20年先の岬町に何を残せるのかを考えていただき、次世代の子どもたちが生き生きと岬町で仕事ができるように、今、動き始めたいと私も思っています。

ぜひとも観光産業の発展に向けて環境整備に力を入れていただくことをお願いしまして、私の一般質問を終えたいと思います。ありがとうございました。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です